研究概要 |
本研究は、多様な課題を抱える中学校施設計画の在り方について、多角的な調査・分析に基づき、その現代化のための計画指針を求めることを目的とするものである。本年度は、3年間継続研究の最終年度にあたり、補足的な調査や分析を行なうと共に、これまでの成果を総合的・体系的に整理して、中学校施設の現代化に関する指針を提示することに努めた。本年度の成果の概要は以下のとおりである。 (1)多目的スペ-スを有する中学校の平面計画類型に関する分析1985年以降に建設された多目的スペ-スを有する中学校施設全ての平面図(計928校)を収集し,その平面計画の類型化に関する分析を行なった。オ-プンスペ-スの学年・教科のまとまりとの対応関係,クラススペ-スとの位置関係などの観点から類型分析を行ない,独立・閉鎖的な多目的教室を設ける傾向が強い事などを指摘した。 (2)特色ある運営方式,教育方法上の実践を有する中学校のデ-タ・ベ-ス化 上述の平面計画類型の上で特色ある施設を有する学校の施設情報也,個別化・個性化のための教育方法上の特色を持つ学校事例について教育実践の具体的内容を含んだデ-タ・ベ-ス化を行った。 (3)中学校施設の現代化に関する計画指針の整理・抽出 以上,3年間にわたって分析・考察してきた成果を体系的に整理し,中学校施設の現代化に関する指針を提示した。この作業には,教育方法の多様化に見識や実践経験を持つ教育学者,中学校現場教師にも実際的な意見・アドバイスを求め,実効性がある指針となるように努めた。 以上を6章にわけて記述し,研究成果報告書としてとりまとめた。
|