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1989 年度 実績報告書

メカニカルアロイングによる非平衡相の生成および分解過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460212
研究機関名古屋大学

研究代表者

水谷 宇一郎  名古屋大学, 工学部, 教授 (00072679)

研究分担者 稲垣 松美  名古屋大学, 工学部, 助手 (40023098)
キーワードメカニカルアロイング / ニッケル-ジルコニウム / 銅-亜鉛金属間化合物 / 銅-タンタル混合粉末 / DSC / 欠陥エネルギ-
研究概要

メカニカルアロイング法ではアモルファス相が何時間もかけてゆっくり生成するので生成機構の研究には最適である。我々はメカニカルアロイング法によるアモルファス相の生成過程を調べる目的で、混合熱△Hが負の系としてアモルファス形成能が高いNiZrz金属間化合物とアモルファス形成能が低いと思われるCu_5Zn_8金属間化合物、さらにΔHが正で二液分離型のCu-Ta混合粉末を出発材料として用いた。得られた主要な結果を以下にまとめる。
(1)NiZr_2金属間化合物はメカニカルアロイングの時間が10時間を過ぎるとアモルファス化が顕著となり、約30時間でほぼアモルファス単相となる。示差熱分析装置(DSC)で吸収したエネルギ-を評価したところ、約10時間後には12KJ/molに達し、さらにメカニカルアロイングを継続してもエネルギ-はそれ以上には蓄えられないことがわかった。この飽和値はNiZr_2が過冷液体に励起するためのエネルギ-にほぼ等しいことから、NiZr_2のアモルファス化は欠陥や粒界エネルギ-の形でエネルギ-が蓄積して励起することにより生じたと結論した。
(2)Cu_5Zn_8金属間化合物は60時間メカニカルアロイングしてもアモルファス化しなかった。DSCで調べたところ蓄えられる欠陥のエネルギ-は2KJ/molに過ぎないことがわかり、アモルファス化に必要なエネルギ-に満たないことを明らかにした。
(3)Cu_<30>Ta_<70>混合粉末をメカニカルアロイングしたところ、60時間後にはX線回析はハロ-となった。中性子回析で調べたところ、未反応のCuとTaが残存するもののCu-Ta相間の生成が確認された。又DSCの測定からこの系では11KJ/mol程度のエネルギ-が蓄えられ、これが熱力学的にアモルファス化を起こすのに十分であることを示した。このように二液分離型の系でもゆっくりアモルファス化が進行することを裏付けた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] U.Mizutani: "Effect of Mechanical Alloying Beyond the Completion of Glass Formation for Ni-Zr Alloy Powders" Journal of Materials Science. (1990)

  • [文献書誌] C.H.Lee: "Differential Scanning Calorimetry Study of Various Intermetallic Compounds Subjected to Mechanical Grinding" Proc.of 7th International Conference on Liquid and Amorphous Metals(Kyoto,1989). (1989)

  • [文献書誌] T.Fukunaga: "Amorphization of Immiscible Cu-Ta System by Mechanical Alloying and Its Structure Observation" Proc.of 7th International Conference on Liquid and Amorphous Metals(Kyoto,1989). (1989)

  • [文献書誌] C.H.Lee: "Effect of Ambient Temperature on the MA and MG Processes in Ni-Zr Alloy System" Japanese Journal of Applied Physics. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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