ダイカスト法の最大の難点であるガス欠陥を除くため、給湯弁を用いる新しい真空ダイカスト法を考案し、本年度はその給湯装置の設計を部品発注を行った。この装置は、射出プランジャ-に給湯弁の機能を持たせるもので、溶湯の真空系への浸入、および給湯管中のガスによる真空度の悪化、などを防止する機構が組み込まれている。設計の細部で2、3の問題点が現われたため、その解決に時間を要したが3日の初旬には、最後の部品が納入されることとなっている。 一方、溶解炉、ダイカストマシ-ン、金型(ASTM材料試験片)は整備され、アルミニウムによる通常のコ-ルドチャンバ-方式の給湯法でダイカストの試験を行い、これらの整備状況を確認した。 継続研究の今後の予定として、3月に給湯装置を組立て、ただちに真空系、油圧系、制御系などの作動テストを行う。不都合な点を修正して、最初に亜鉛合金による鋳込み実験に入る。この場合、真空度を徐々に高め、亜鉛の蒸発がどの程度起るかを予め調べ、つぎに、減圧による製品欠陥の減少の様子を調べる。そして、この方法の亜鉛合金への適用性を判断する。つぎに、アルミニウム合金による鋳込み実験に入る。スリ-ブとプラジャ-チップのかじりなど、いろいろな困難が予測されるが、種々の改良を図り、最終的に達成されるこの装置の性能と、実用化のための問題点を明らかにする。 またこの鋳込み実験でえられた製品のガス欠陥、金属組織、機械的性質を調べ、この方法で作られる製品の特徴を明らかにする。
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