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1989 年度 実績報告書

人工格子フェリ磁性体による巨大磁気抵抗効果の創出と材料研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460219
研究機関東北大学

研究代表者

藤森 啓安  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)

研究分担者 高梨 弘毅  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00187981)
小尾 俶久  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005925)
森田 博昭  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005914)
キーワード人工格子 / フェリ磁性体 / スピンフロップ / 磁気抵抗効果 / 磁気センサ-
研究概要

本研究の初年度である本年度には、Fe/Gb系金属人工格子を作成しそのフェリ磁性磁化にともなう磁気抵抗効果を実験的に研究し以下の成果を得た。〔本研究の目的〕フェリ磁性体では特定の磁場でスピンフロップを起こし副格子磁気モ-メントが磁場に対して角度を持つようになることが起こる。したがってその時磁気抵抗に異常が起こる。この現象は磁気センサ-等に応用できると考えられるが、自然に得られるフェリ磁性体(フェライト結晶や他の化合物)ではスピンフロップ磁場が10KOeを越す高い値であるので実用的ではない。ところが、人工格子の方法でフェリ磁性体を合成するならば低い磁場のスピンフロップが可能になると予想され、スピンフロップにともなう磁気抵抗の異常を利用した磁気センサ-の開発の道が開ける。本研究はその実現のための基礎研究を目的としたもので、本年度はFe/Gd人工格子を作りフェリ磁性が発生する条件、スピンフロップ磁場の制御条件、磁気抵抗効果の挙動などにつき詳細な実験的研究を行った。
〔実験方法〕人工格子薄膜は2元のスパッタ装置により作成した。磁化過程はVSMと磁気天秤で測定した。磁気抵抗効果は本研究費によって自作した装置を使って測定した。
〔実験結果・考察〕Fe/Gdの多層膜と、FeリッチFe/Gd//GdリッチFe/Gdの2重構造多層膜について磁化過程を調べたところそれぞれの多層膜の周期に応じてフェリ磁性補償温度とスピンフロップ磁場が規則的に変化することを見出した。その結果、室温かつ低磁場(数10Oe〜数100Oe)でスピンフロップが起こり磁化が低い磁場でシャ-プに段階状に変化するものを作ることが出来た。しかも、その磁化変化にともなって磁気抵抗が急峻に変化することも見出した。これは人工的に得られた新しい現象であり注目すべき成果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Kamiguchi,Y.Hayakawa,H.Fujimori: "Anomalous field dependence of magnetoresistance in Fe/Gd multilayered ferrimagnets" Appl.Phys.Lett.1918-1919 (1989)

  • [文献書誌] H.Fujimori,Y.Kamiguchi,Y.Hayakawa: "New phenomena of magnetoresistance in ferrimagnetic Fe/Gd multilayers." Proc.of 3M-Conf.'89(Boston). (1990)

  • [文献書誌] 上口裕三,藤森啓安,早川康男,高梨弘毅: "Fe/Gd2重多層構造膜に於けるスピンフロップ現象と磁気抵抗効果" 日本応用磁気学会誌(論文特集号). 14. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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