研究課題/領域番号 |
01460222
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 正治 京都大学, 工学部, 教授 (90029108)
|
研究分担者 |
西谷 滋人 京都大学, 工学部, 助手 (50192688)
白井 泰治 京都大学, 工学部, 助手 (20154354)
|
キーワード | レ-ザ-照射 / 表面改質 / 薄膜作成 / 窒化物膜 / 酸化物膜 |
研究概要 |
レ-ザ-を用いた表面改質は、新しい材料を開発する方法として今後の発展が期待される分野である。以下にパワ-密度3.1×10^9W/cm^2、パルス幅1×10^<-8>secのガラスレ-ザ-光を各種金属に照射することにより得られた実験結果をまとめる。 1)Zr、Nbの場合、窒素ガス、大気中ともに窒化物のみが、しかも比較的厚く生成した。 2)Ti、Alの場合、窒素ガス中では窒化物が、大気中では窒化物に加えて酸化物が生成した。 3)Fe、Niの場合、窒素ガス中ではほとんど表面の変成はなく、大気中で酸化物が生成した。 4)本実験では、W表面には窒素ガス、大気中ともに表面の変成を確認できなかった。 これらの生成相の金属種による違いはその融点と沸点とに非常によい対応があり、この実験結果に対し気液反応と気相反応という観点から反応過程を整理することができる。 1)金属の沸点が表面の到達温度より高い場合、その金属は融解し気液反応が優勢に起こる。この時、酸化反応は窒化反応より反応速度が遅く10^<-8>secのパルス幅では窒化反応が優先的に起こると考えられる。 2)金属の沸点が表面の到達温度より低い場合、その金属は一気に蒸発、ブラズマ化し、気相反応が優勢に起こる。プラズマ内では酸素、窒素、金属がそれぞれ結合し合うため、生成物は酸化物、窒化物、Oxynitrideであり、これらはプラズマのバックフロ-により金属表面にごく薄く蒸着すると考えられる。 実際の反応はこの2種類の反応が共存し、その優劣によって生成物が決定される。Zr、Nbは気液反応が、Al、Fe、Niは気相反応が優勢であり、Tiはその中間、Wは両反応共に起こっていないと考えると実験結果を統括的に説明できる。
|