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1989 年度 実績報告書

浸透流解析による地すべり発生機構と地すべり予知・対策上の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460234
研究機関新潟大学

研究代表者

吉田 昭治  新潟大学, 農学部, 教授 (80018530)

研究分担者 中野 俊郎  新潟大学, 農学部, 助手 (40018544)
高浜 信行  新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20018948)
佐藤 修  新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (00022624)
キーワード地すべり / 地下水位 / 間隙水圧 / 地下水観測 / 有限要素法 / 透水係数 / 浸透水
研究概要

1.第三紀層地すべり地のモデル地区としてとりあけた松之山と東虫亀地すべり地に設置してある現有の地下水圧自動観測システムを若干改良して、観測を継続して行った。
2.東虫亀の地すべり地区では、部分有孔観測孔を4孔、合計長59mを追加設置し、2地点ではあるが、全有孔観測孔のデ-タを現地のデ-タで比較検討できるようにした。
3.地すべり地の地下水位・水圧観測用の全有孔式の観測孔の問題点を理論、シミュレ-ション、モデル実験の各面から総合的に検討した結果、全有孔式観測孔による不在地下水位の観測値は、傾斜流においては実際の水位よりも低目に観測され、かつこの差異は実際に無視できないほど大きいことが明らかにされた。
4.有限要素法によって、両地区の地すべり地の浸透流解析を、不飽和領域をも同時に扱う吉田の方法(不飽和解析ではない)で行った。この方法によると、不飽和領域の負圧分布も同時に簡単に求めることができ、水田の湛水の浸透、すべり面粘土層の難透水性、水抜き工の排水などを考慮した浸透流解析が容易であることが明らかにされた。
5.観測孔デ-タを検定値として、透水係数の異なる地層区分からなる水理断面モデルを適切に決定すると、かなりの精度で地下水圧の面的情報が得られることを確認した。この数値解や観測値から得られる地すべり面に働く地下水圧(間隙水圧)分布を考慮して斜面安定解析を行うと、従来の不圧地下水位から求める方法に比べ、被圧地下水がある場合などでは、安全率で10〜20%の違いが生ずることが認められた。このことは、地すべりの安定解析において浸透流解析の重要性を示唆している。
6.今後の計画:現地の地下水観測を継続し、地表供給水-地下水流動-地すべり発生の関係を、水理モデルを使って系統的に究明する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉田昭治: "全長ストレ-ナ式観測孔内水位の形成機構" 農業土木学会 講演要旨集. (1990)

  • [文献書誌] 吉田昭治: "地すべり地の地下水圧観測と地下水位解析について" 地すべり. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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