• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

地すベり対策と二次災害の危険防止に必要な残留強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460237
研究機関琉球大学

研究代表者

宜保 清一  琉球大学, 農学部, 教授 (30045132)

キーワード残留強度 / リングせん断試験 / 地すべり / 粘土分 / 塑性指数 / スメクタイト / 粒子配向 / 安定解析
研究概要

残留強度の測定には、大変位せん断の排水試験が必要とされ、長期間を要するため、地すべり現場からの緊急な要請に即応できないのが現状である。残留強度パラメ-タを迅速に求める方法として、等体積のリングせん断試験による直接的な方法と、残留強度パラメ-タ(φ_r)と物理・化学及び鉱物組成との関係から推定する方法がある。平成元年度は、φ_rと物理・化学及び鉱物組成との関係について調べ、φ_rの推定方法について考えてみた。
試料として、沖縄・島尻層泥岩、新潟・椎谷層泥岩、長崎・佐世保層泥岩及び大阪・亀の瀬れき層土の代表的地すベり土と、比較のためのべントナイト及びカオリンを使用した。
φ_rと粘土分CF、塑性指数I_p及び活性等度A=I_p/CFとの間には次のようなよい関係がみられた: (1)亀の瀬試料を除く地すべり土、ベントナイト及びカオリンは右下がりの帯状φ_r-CF関係を示した。 (2)φ_r-I_p関係では、ほとんどがI_p=30〜70の範囲内に納まった。 (3)泥岩試料とベントナイトからφ_r=43.7・I_p^<-0.389>の関係式が得られた。 (4)φ_r-A関係では、亀の瀬試料も領域内に納まった。 (5)φ_rは粒子配向に依存し、スメクタイト粒子がその支配因子となっている。 (6)φ_rには粒子の再配列を促すコロイド-化学活性の影響も大である。
以上の結果を基にすれば、簡単な物理試験からおおよそのφ_r値を出し、スメクタイト含量とコロイド-化学活性で修正して、φ_r値を推定できる。
なお、せん断機構上急速測定が可能な等体積せん断試験についてその有効性を検討する予定であるが、購入した試験機本体は配分額の範囲で得られた装置であるので、現在、等体積の機能をコントロ-ルする周辺機器の整備に努めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Gibo Seiichi: "Residual,Peak and Fully Softened Strength of Materials in the Slip Surface Zone" Proc.the Japan-China Symposium on Landslide and Debris Flows,(Niigata,Tokyo)(The Japan Landslide Society). 25-28 (1989)

  • [文献書誌] 宜保清一: "残留強度,完全軟化強度,ピ-ク強度と地すべり斜面の安定性評価" 地すべり学会関西支部シンポジウム“地すべりのC,φと発生・運動予測"(地すべり学会関西支部主催). 21-39 (1989)

  • [文献書誌] 宜保清一,森英勇,赤嶺光宏,江頭和彦: "地すべり土の大変位せん断挙動と残留強度パラメ-タ" 第25回土質工学研究発表会(岡山)(土質工学会). (1990)

  • [文献書誌] Gibo Seiichi,Sasaki Keizo: "A Simple Method for Evaluating the Stability of Slopes" “Alpine Landslide Practical Seminar"Sixth International Conference and Field Workshop on Landslides,(Milan). (1990)

  • [文献書誌] 宜保清一,江頭和彦: "残留強度パラメ-タに及ぼす物理的化学的性質及び鉱物組成の影響" 土質工学会論文報告集. (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi