研究課題/領域番号 |
01460238
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業機械
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
清水 浩 岩手大学, 農学部, 教授 (00091645)
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研究分担者 |
種田 健造 岩手大学, 農学部, 教授 (20163644)
太田 義信 岩手大学, 農学部, 教授 (60003787)
木谷 収 東京大学, 農学部, 教授 (00024539)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | バイオマス / 熱分解ガス化 / 上向流式炉 / バイオガスエンジン / 液体タ-ル / 液体燃料 |
研究概要 |
初年度に設計し試作して以来、試験してきた上向流式熱分解炉について、装置を大幅に改良しつつ、変化条件で繰り返し実験した。対象材機には樹皮ペレットを主としたが、もみ殻も用いて比較し、そのために炉を特別に各様に改良したのだが、小型炉(内径30cm)なので炉内にブリッジを形成して成功できなかった。樹皮ペレット対象の実験は、燃焼用空気量を特定した条件下で、炉からの排出ガス温度を水の沸点以上の設定値へ自動制御し、その時の材料供給量、発生ガス分とタ-ル分の質量、タ-ル分中の固形分・油分・水分の比率、ガス分の熱量、炉からの残量、炉内外の各所の温度などを計測した。水性ガス反応のための水蒸気供給条件、タ-ル分を用途別に分離取得し易い装置の構造条件、および、発生ガス分によるエンジン駆動などにつき、条件を変えて実施した。それら成果は主に次のようであった。 (1)排出ガス温度の自動制御効果は顕著であって、材料湿分と熱分解による生成水分の全ては炉戸へと排出され、本研究の画期的な成果として確認できた。(2)炉を大幅改良した成果も顕著であり、炉内には薄い乾燥層と広い還元層が確認され、還元反応の有効化を達成できて、取得ガスの発熱量を大幅に強化できた。(3)タ-ル分は第1段に重質タ-ル、第2段に水分、第3段に軽質タ-ルを各々主とするように区分して取得できた。重質タ-ルは原料へ混ぜて再利用し、強酸性木酢液を含む水分は有機農薬とし、軽質タ-ルは価値有る化学原料に成し得るとみられた。(4)タ-ル分を長期貯蔵した時の上澄み液には油分が濃縮され、一例では水分72%であり、燃焼できた。その発熱量は石油に匹敵した。(5)還元層の広い確保により、水性反応の嵩によって発生ガスの熱量を調節できた。よって、地域の立地条件に応じた最適運営を容易に実現可能にできた。
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