研究概要 |
本研究では,近年その重要性が高まりつつある,計算機を用いた医用画像の処理における2本の柱である,医用画像の“作成"と“デ-タ圧縮"に関する研究を行った.昨年度は医用画像の“作成"に関する研究を行ない本年度は医用画像の“デ-タ圧縮"に関する研究を行った.研究成果を列挙する. <1)画像分割による画像のデ-タ圧縮手法の開発>___ー 原画像を格子状のブロックではなく八角形状のブロックに分割して直交変換を行うことによって,圧縮されたデ-タから再現した画像の画質を向上させる手法を開発し,その有効性を確認した. <2)ハ-ドコピ-装置に適した画像のデ-タ圧縮手法の開発>___ー 医用画像処理では,診断に医用画像のハ-ドコピ-が必要になる場合が非常に多い.そこで,ここでは将来,医用画像用ハ-ドコピ-装置に内蔵させることを前提としたデ-タ圧縮手法を開発した. <3)文字デ-タと画像デ-タの融合圧縮手法の開発>___ー 患者のカルテなどの文字デ-タを,医用画像中に暗号化して混入することが必要になる場合がある.ここではその基礎手法となる,文字デ-タを線図形中に混入する手法を開発して,画質に与える影響を考察した. <4)不連続画像の内挿による医用動画像のデ-タ圧縮手法の開発>___ー 医用静止画像ではなく,臓器の運動状態などの医用動画像をデ-タ圧縮する手法として,一定時間間隔で間引いた複数の画像間を内挿することによって,滑らかな動画像を再現する手法を開発した. 上記の研究成果から,本研究の研究目標は十分に達成できたと考える.研究成果のいくつかは学会誌などですでに発表済みであり,未発表分についても順次公表する予定である.
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