研究課題/領域番号 |
01460240
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
亘理 文夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70158682)
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研究分担者 |
西村 文夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10013856)
野本 直 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013799)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | チタン鋳造 / ジルコニア基埋没材 / 鋳造床 / 寸法適合性 / 焼着 / 硬化熱処理 / 固溶強化 / カルシア |
研究概要 |
チタンは耐食性、生体適合性、機械的強度、軽量性、経済性など歯科材料としてのほぼ理想的な条件を具備した材料とみなされているが、その高温における反応活性のために、従来シリカ基埋没材では鋳造が困難であった。本研究は金属あるいは溶湯チタンと各種セラミックとの反応性、チタンと各種ガスとの反応性を調べ、チタン鋳造用の新しい超高温埋没材を開発する上での考え方と材料選択のための指針を得ることをめざした。これらの基礎研究に基づき、その応用としてジルコニア基埋没材を試作してチタン鋳造体の作製を可能にし、またチタンの硬化熱処理の方法についても検討したものである。主たる成果ならびに派生した研究には以下のようなものがある。(1)チタンとセラミックス単結晶との反応性試験から、生成自由エネルギ-の他に塩基性度が重要な要因であることを示し、焼着性を判断する指針であることを示した。この観点から、(2)チタン等の高融点、高温活性金属に対して非反応性熱基材を選択し、超高温埋没材として新たにジルコニア基埋没材を開発した; (3)従来型の埋没材で結合材として用いられる石膏の分解性についても耐熱基材の塩基性度が影響を与えることを見いだし論じた; (4)生体組織に密着して用いられるインプラント、人工生体料用の新素材としてチタン/アパタイト複合焼結体や傾斜機能性材料の作製を進めつつあるが、その開発過程に生ずる生型硬化、焼結促進、酸化抑制、還元促進等の問題点に対して上記の焼着性傾向則を応用した。 (5)高反応性でセラミックスおよびガスとの反応が同時に進行する一般シリカ基埋没材と異なり、ジルコニア基埋没材ではガス反応は別個に起こり得るため、鋳造後、鋳造体に熱処理を施し強化を図ることが可能になるが、酸素、窒素、炭素の固溶強化を利用するために、2段熱処理、均一化焼純法を開発し、さらに表面硬化処理、義歯床等の強化に適用することを検討している。 (6)ジルコニア基埋没材を用いて得られた鋳造体は金属光沢を有したままのものであるが、さらなる表面処理方法として電解研磨法の開発にも研究を展開した。
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