研究課題/領域番号 |
01460256
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
末吉 敏則 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00117136)
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研究分担者 |
吉田 隆一 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (70200996)
福田 晃 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (80165282)
有田 五次郎 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00037764)
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キーワード | 通信プロトコル / 計算機ネットワ-ク / 分散処理システム / 並列処理 / プロトコルマシン / TCP@IPプロトコル |
研究概要 |
研究実施計画に従い、通信プロトコル処理のモデル化と並列性抽出、通信プロトコル処理の動的解析、およびプロトコルマシンのア-キテクチャ研究を行った。本研究の主な成果を以下に示す。 1.国内外のUnixワ-クステ-ション・ネットワ-クで事実上の標準として広く普及しているTCP/IPプロトコルを対象に通信プロトコル処理のモデル化と動的解析とを行った結果、通信プロトコル処理は負荷が重く、特に送信処理にかなりの時間を要することが分かった。また、通信プロトコル処理の中で特に負荷が重い処理は、階層間におけるコピ-操作、構造デ-タアクセス、チェックサム処理であることを明らかにした。 2.標準プロトコルにおける階層化と仮想化の概念に基づいて階層間ならびに階層内における並列性が活用できることを明らかにし、並列処理による高速化が可能であることを確認した。また、通信プロトコル処理における並列性の抽出結果から分かった各階層における並列度(同時処理可能な数)と粒度(処理の大きさ)を基にして、空間的並列処理と時間的並列処理を組み合わせたプロトコルマシンの基本ア-キテクチャを設計した。 3.ネットワ-クにおける実効転送速度の高速化を実現するためには、通信プロトコル処理自体の高速化だけでなく、通信制御による高速化も不可欠であることを明らかにした。また、ネットワ-ク性能を左右する要因としては、確認信号ACKの遅れ、送信遅延、ウィンドウ管理が重要であることを示した。このため、各々について現在のTCP/IPの仕様の枠内で実施可能な高速化技法を検討し、プロトコルマシンの基本ア-キテクチャにも通信制御による高速化技法も盛り込む方向で研究を進めている。
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