研究概要 |
1.平成2年度の研究目的 (1),原子炉や未臨界実験装置内の狭い空間への挿入および水中への挿入が可能な位置検出型 ^3He中性子計数管を作製する。 (2),(1)と同様な仕様を持つ位置検出型核分裂中性子計数管を作製する。 (3),(1),(2)で作製した計数管を用い,未臨界実験装置等において熱中性子束密度分布をリアルタイムで測定する方法を開発する。 2.研究目的に対応した成果 (1),外径25mm,長さ120cmの(1)の計数管において,種々の強度を持つ中性子束密度分布の測定が可能なように ^3Heの含有率が0.3%,1%,10%の3種類の計数管を作製した。 (2),位置検出型核分裂計数管の作製においては当初は酸化ウランと導電性炭素塗料を混合し,陰極表面に塗布していたが,この方法では薄くて均一な厚さのものが得られなかった。そこでウランの電着法を行った。この方法では0.1〜1μmの厚さにおいて希望する厚さのウラン被膜を均一な厚さで電着できることが分った。外径25mm,長さ200cmの計数管を作製したが,核分裂パルス波高はα線との分離もよく,十分に使用に耐えることを確認した。 (3).(1)の計数管を用いて,京都大学原史炉実験所臨界実験装置で中性子束密度分布の測定をした。炉心の近くの分布測定では ^3He含有率0.3%のものがよく,減速材周辺のストリ-ミング等の測定には1%,10%等含有率の高いのが使用に適することが分った。 3,今後の研究 2.の(2),の計数管を用いて極めて強い中性子束密度分布の測定を行う。 4.予算の使用状況 設備備品はない。計数管の作製に極めて有効に使用できた。
|