研究課題/領域番号 |
01460266
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
新藤 静夫 千葉大学, 理学部, 教授 (70058014)
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研究分担者 |
佐倉 保夫 千葉大学, 理学部, 助教授 (70153947)
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キーワード | 流域の水文観測 / 微地形分類 / 地形変化の予測 / 流域の土層構造 / 基盤の割れ目流 / 浸透・流出 / パイプの形成 / 地理情報システム |
研究概要 |
1.研究成果:丘陵地を含む小起伏山地の源流域を対象とし、その地形特性を水文学的機能から区分した。今年度主に対象とした流域は、愛知県小原村(花崗岩流域)、瀬戸市近傍の猿投山地(花崗岩流域)と犬山市近傍の丘陵(不透水性第三系流域)である。花崗岩流域では、尾根部での基盤の割れ目への浸透流、谷底部における基盤を経由して流出する地下水流の存在の重要性を確認した。一方、不透水性第三系流域では、流域の比高が小さく排水がスム-スに進行しないため、豪雨時には地下水面が上昇し、復帰流としての地表流の発生がしばしば認められ、量的にも地下水流出量を上廻ることが明らかとなった。 このような水文学的機能が地形変化に与える影響についても、花崗岩流域では一部理論的解析を試みた。その結果、地下水流出の集中が、風化土(マサ)の液状化、流動化を招き、谷頭部でパイプを拡大させるとともにその上部斜面では風化土の欠落部に陥没凹地が生ずることが明らかとなった。 2.今後の計画:上記三流域では、特に降雨の集中する6月の梅雨期と9月の台風期に、地形区分ごとにそれぞれの水文学的機能をより明らかとすることを目的とした水文観測の継続を予定している。さらに、東大愛知演習林の赤津地区(745ha)を対象として、地形・地質・水文現象の相互関係を明らかにするため、地理情報システム(GIS)による解析を行う。従来行っている源流小流域の地形・水文調査結果にもとづく情報と広域の地形・地質情報を重ね合せることから、水文地形変化の予測の基礎的情報を把握する。その際必要となる広域の土層・地質調査、河川・湧水の流量観測、植性分布調査、崩壊地抽出調査なども計画している。
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