研究課題/領域番号 |
01470001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金森 悟 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00022541)
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研究分担者 |
渡辺 興亜 国立極地研究所, 教授 (60111861)
金森 暢子 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助教授 (70022572)
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キーワード | みずほ高原 / 700mコア試料 / エアロゾル / 南極氷床 / 南極雪氷 / 大気環境 / 重金属元素 / メタンスルフォン酸 |
研究概要 |
(1)能率的な化学分析システムの確立 本研究費補助金により購入したダイオネックス社BIO-I型液体クロマトグラフ分析システムの導入により、南極雪氷試料中の有機酸などおよび無機主成分の定量が著しく容易になると共に、重金属成分についても、方法の自動化などにより能率的な分析システムを完成した。 (2)みずほ高原における化学成分の堆積機構の基礎的研究 第29次南極観測隊がみずほ高原全体にわたって採取した300種以上の積雪ピット試料および飛雪試料、および昭和基地で採取した大気エアロゾルの通年試料(約20種)の主成分を測定し、以下のことが明らかになった。a)昭和基地の大気エアロゾル中の非海塩起源SO_4、メタンスルフォン酸、Cl/Na比は明瞭な季節変化を示し、海岸からみずほ高原に輸送される化学成分の堆積季節のよい指標となりうること。b)海塩に由来する化学成分は海岸からの距離と共に減少し、海岸から約300kmのみずほ基地ではほぼその影響がなくなること。c)さらに内陸のA、B、C点では化学成分濃度がかえって増加する傾向が認められ、みずほ高原内陸に別の源が存在するか、別の輸送経路が存在することなどが明らかとなり、氷床の流動に対応する化学成分の濃度変化の予想をするための有用な情報を得ることができた。重金属成分や有機物を測定するためのピット試料の処理および化学分析が現在進行中である。 (3)700mコアの処理 極地研究所の700コア配分計画がまだ十分に固まっていないので、本格的な処理は本年度の夏頃になる見込みであるか、その予備的研究としてみずほ基地における試堀コア試料8種(1m〜90m)につき測定を行った。その結果ギ酸、メタンスルフォン酸、Cu、Znの有機金属化合物が安定に残存していることが明らかとなった。
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