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1989 年度 実績報告書

クラスタ-のダイナミックスと励起状態に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01470016
研究機関京都大学

研究代表者

中辻 博  京都大学, 工学部, 助教授 (90026211)

研究分担者 平尾 公彦  名古屋大学, 教養部, 教授 (70093169)
キーワード励起状態 / イオン化状態 / アニオン状態 / 量子化学理論 / 衝突誘起吸収 / CsXe / SAC / SAC-CI理論 / EGWF / EX-EGWF理論
研究概要

本研究では、励起分子のエネルギ-と物性、化学反応とダイナミックスを記述するための量子化学理論の完備とその応用を目的としている。本年度は、この目的をほぼ達成する理論とそのプログラムシステムを完成した。また、CsXe系の衝突誘起吸収過程について研究し、その本質を明らかにした。
〔1〕任意の分子の励起・イオン化・アニオン化状態のEGWF/EX-EGWF理論とそのプログラムシステム
励起分子のダイナミックスを研究するうえで、基底状態や励起状態のポテシャル曲線を正しく計算することは極めて大切である。ここではSAC/SAC-CI理論が使えない場合にも有用な、一般化された指数関数を用いるEGWF(exponentially generated wave function)法とEX(excited)-EGWF法とそのプログラムシステムを完成させた。理論はすでに、J.chem.Phys.83,5743(1985)に掲載した。この方法をC_2、CO、HF分子に適用し、完全解であるfull CIの結果と比較したところ、ポテンシャル曲線の各結合距離において、基底状態、励起状態、イオン化状態、アニオン状態のすべてに対して、大変精度の高い結果を与えることが確認された。この方法は将来、上記の目的に対して、極めて有用な方法になるものと期待される。
〔2〕CsXe系の衝突誘起吸収過程
Csの6s→5d,6s→7sは禁制遷移であるが、Xeなどの希ガスを混入すると、禁制遷移の近傍に新たな吸収が誘起される。この現象を量子化学的に研究し、この吸収のプロフィ-ルがCs-Xeの基底状態と励起状態のポテンシャル曲線や誘起双極子能率の詳細を反映している事を示した。理論的に得られたスペクトルは実験スペクトルをよく再現しており、用いたSAC/SAC-CI理論の信頼性が確認された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] H.Nakatsuji: "Calculation of Hyperfine Splitting Constants with Slater-Type Cusp Basis by the SAC-CI Theory" J.Chem.Phys.91. 6205-6214 (1989)

  • [文献書誌] H.Nakatsuji: "Excited and Ionized States of RuO_4 and Os O_4 Studied by SAC and SAC-CI Theories" Intern.J.Quantum Chem.(1990)

  • [文献書誌] H.Nakatsuji: "Theoretical Study on Metal NMR Chemical Shifts.Molybdenum Complexes" Inorg.Chem.(1990)

  • [文献書誌] Y.Mizukami: "Potential Energy Curves of the Ground, Excited, and Ionized States of Ar_2 Studied by SAC-CI Theory" J.Chem.Phys.(1990)

  • [文献書誌] H.Nakatsuji: "Theoretical study on Metal NMR Chemical Shifts. Titanium Complexes" Chem.Phys.Letters. (1990)

  • [文献書誌] H.Nakatsuji: "Theoretical study on Molecular and Dissociative Chemisorption of Oxygen Molecule on an Ag Surface" 発表予定.

  • [文献書誌] 米沢貞次郎,中辻博: "「分子化学工学」"電子論による分子設計"" 槇書店, 32 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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