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1990 年度 実績報告書

ケイ素の特性を利用したシグマ結合関与機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01470025
研究機関九州大学

研究代表者

清水 宣次郎  九州大学, 理学部, 助教授 (70001849)

キーワードシグマ関与機構 / βーケイ素効果 / 超共役 / 炭素陽イオン / ソルボリシス
研究概要

1.隣接SiーSi結合による10^5以上の速度加速と100%シリル基の転位をともなうαーペンタメチルジシラニルベンジルハライド(1)のソルボリシスについて溶媒イオン化能依存性を水性アセトン(A系)、水性エタノ-ル(E系)、水性トリフルオロエタノ-ル(T系)溶媒系で求め、K_0基質であるαートリアルキルシリルベンジル基質(2)と比較検討した。溶媒イオン化能Yxに対してA系ではm=0.9以上の高い感度をもつ直線となる一方、E,T系は上方に大きくズレた分散パタ-ンを示す。興味深いことは(2)も全く同様のmY相関パタ-ンを示すことで、顕著な加速と骨格転位に特徴づけられるにも関わらず、溶媒効果解析は(1)がK_0基質として挙動していることを示しており、シグマ関与の本質に迫る重要な知見である。
2.αー(トリメチルシリルメチル)ベンジルトリフルオロアセテ-ト(3)のソルボリシスにおけるβーケイ素効果を明らかにし、炭素陽イオン安定性におよぼす隣接SiーSiσ結合とCーSiσ結合の効果を定量的に比較した。基質(3)のソルボリシスは溶媒効果、置換基効果、α重水素同位体効果、および活性化パラメ-タ-の解析から(1)と同様の機構で進行することが判明し、3x10^5のβケイ素効果が実測され、陽イオン安定化効果はSiーSi、CーSi結合でほぼ等しいことが明らかになった。
3.2ーフェニルー1ーペンタメチルジシラニルシクロプロピル臭化物のソルボリシスは開環生成物とシリル基が転位した非開環生成物を45:55の割合で与え、ケイ素とシクロプロピル基のσ関与が競争して起こることを示し、一方、2ーアリ-ルエチル系ソルボリシスにおけるβケイ素の導入では、アリ-ル関与は完全に抑制され、kc機構で進行することが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N.Shimizu他2名: "Effect of SiーSi σBonds on Stability of Adjacent Benzylic Cations." Chem.Lett.1937-1940 (1990)

  • [文献書誌] N.Shimizu他2名: "Rates and Mechanism for the Solvolysis of 2,2ーDimethylー2ーSilaー1ーindanyl Bromide and αーTrialkylsilylbenzy1 pーToluoenesulfonates." Bull.Chem.Soc.Jpn.64. (1991)

  • [文献書誌] N.Shimizu他2名: "Silicon Effects.II.Structure and Stability of 1ーPhenylー2ー(trimethylsilyl)ethyl Cation in Solution." Bull.Chem.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] N.Shimizu他4名: "Silicon Effects.III.Rates and Products for Solvolysis of αー(Pentamethyldisilanyl)benzyl Halides and 2,2,3,3ーTetramethylー2,3ーdisilaー1ーindanyl Chloride." Bull.Chem.Soc.Jpn.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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