研究概要 |
有機化合物の絶対構造を非経験的に決定する方法として、X線法とならんでCDスペクトル法が有用である。我々は「CD励起子カイラリティ-法」の拡張として「ねじれたπ電子共役系」の絶対構造決定にπ電子SCFーCIーDV分子軌道法によるCDスペクトルの理論計算が有用であることを見いだし、天然物などに応用して以下の研究成果を得た。 (1)光学的に純粋なWielandーMiescherケトンの効率的製法とCDスペクトルによる絶対配置の確立 (2)黄桃灰星病菌の自己生育阻害物質chloromonilicinの結晶構造とCDスペクトルによる絶対構造 (3)(+)ーゼストキノンの全合成とその絶対構造の決定 (4)ポリアセン発色団を有する光学活性9,9'ースピロビフルオレン誘導体および[6,6]ーvespirene誘導体の合成とCDおよび絶対立体化学 (5)光学活性スピロ[3.3]ヘプタン系化合物の合成と円二色性励起子カイラリティ-法による絶対立体化学の決定 (6)強心活性海洋天然物ハレナキノ-ルおよびゼストキノ-ルの擬生体合成と可能な共通の生合成前駆体 (7)X線結晶解析による[6,6]ーvespirene誘導体の構造と絶対配置の決定 (8)CD励起子法による鎖状グリコ-ル系の絶対構造決定 (9)CDの理論計算による回転異性ビフラボンの絶対立体化学の決定 (10)ビスシアニン色素の可視とCDスペクトルにおける異常に大きな励起子相互作用 (11)(-)ーサルタムを用いたカルボン酸の光学分割と絶対立体化学の決定 (12)X線結晶構造解析によるシクロファン類の絶対配置の決定 (13)光屈性制御物質ラファヌサニン誘導体の合成と生理活性 (14)放線菌の生産するAChE活性阻害物質NK901093
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