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1989 年度 実績報告書

免疫増強活性を有する天然糖質の化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01470028
研究機関大阪大学

研究代表者

楠本 正一  大阪大学, 理学部, 教授 (30028253)

研究分担者 深瀬 浩一  大阪大学, 理学部, 助手 (80192722)
キーワード免疫増強活性 / 複合糖質 / リポタイコ酸 / リポ多糖
研究概要

細胞表層には興味ある生物活性を有する種々の複合糖質が存在する。本研究は細菌由来の免疫増強活性糖質を対象に、その活性の化学的本体を明らかにしようとするものであるが、本年度はグラム陽性菌表層のリポタイコ酸(LTA)および結核菌の糖脂質について下記の研究を行った。
1.LTAの合成研究。 溶血性連鎖球菌の示す抗腫瘍活性は、そのLTAの作用によるものと報告されている。我々はその活性本体構造を決定するために、この菌のLTAに対して提出されている推定構造の合成を開始した。まず光学的に純粋な保護キラルグリセロ-ルの合成法と、それをホスホロアミダイト法によってリン酸を介して順次結合させる効率的な方法を開発して、親水性のグリセロ-ルリン酸繰り返しポリマ-部分の合成法を確立した。ついで、pーニトロベンジル基の選択的除去法を新たに見出して、これを利用してこの菌のLTAを特徴づけている糖脂質部を合成することに成功した。現在、グリセロ-ルリン酸部と糖脂質部の結合について検討を行っており、種々の合成部分構造の生物試験を通じて活性発現構造の解明を目指す予定である。
2.BCG菌由来の免疫増強糖脂質の単離。 結核菌およびその近縁菌には強い免疫増強活性を示す特異な両親媒性物質が存在することが最近明らかにされた。我々はグラム陰性細菌のリポ多糖の研究を参考にしてBCG菌体を抽出し、さらに種々の活性試験を指標に遠心向流分配法によって活性画分を高度に精製することに成功した。組成分析の結果から、これは新しい型のリポ多糖と呼ぶべきものであることが明らかになったので、現在その構造研究を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koichi Fukase,Hideo Tanaka,Sigeru Torii,and Shoichi Kusumoto: "4ーNitrobenzyl Group for Protection of Hydroxyl Functions" Tetrahedron Letters. 31. 389-392 (1990)

  • [文献書誌] A.Rozalski,L.Brade,H.-M.Kuhn,H.Brade,P.Kosma,B.J.Appelmelk,S.Kusumoto,and H.Paulsen: "Determination of the Epitope Specificity of Monoclonal Antibodies against the Inner Core Region of Bacterial Lipopolysaccharides by Use of 3-Deoxy-D-manno-Octulosonate-containing Synthetic Antigens" Carbohydrate Research. 193. 257-270 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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