研究概要 |
1)インド生薬Litsea glutinosaのメタノ-ル抽出物は、ド-パミンD_1,D_2,セロトニン5ーHT_<1a>,5ーHT_2レセプタ-に対する予備的な結合実験の結果、D_1および5ーHT_<1a>レセプタ-に結合する成分を含むことが分かった。この成分を探索したところ、活性物質はベンジルイソキノリン/アポルフィンーアルカロイド分画に集中していた。その分画からクリプトドリン[1],イソボルジン[2],ボルジン[3],新規アルカロイド2ーヒドロキシー1ーメトキシー10,11ーメチレンジオキシノルアポルフィン[4],ヘルノビン[5],リンドカルピン[6],コクラウリン[7],レチクリン[8],アクチノダフニン[9],ノルボルジン[10]を単離し、構造を確認した。D_iレセプタ-結合実験の結果、これらの中で、[2],[3],[4],[8]が強い活性を持つことが明らかとなった。一方、5ーHT_<1a>レセプタ-に対しては、[3]が最も強く結合した。[9]はその活性は弱いが(IC_<50>5.3μg/ml)、5ーHT_<1a>に対する高い選択性を持っていた。 2)昨年度の丁字草成分研究の結果に基づき、この植物の主要向精神作用物質であるヨヒンビン(Y)の誘導体を種々合成し、Yが併せ持つα_2および5ーHT_<1a>レセプタ-に対する結合活性(それぞれIC_<50>46.8nM,130nM/ml)の分離を試みた。予備実験において、Yー17ー0ーメシラ-トがα_28.7nM,5ーHT59.nMの活性を示したので、主として17ー0ーアルキルおよびアリ-ルスルホナ-ト類を中心に結合実験を行った。その結果、a)メシラ-トより嵩だかいスルホナ-トは、一般に活性が低くなる。しかしb)pーフルオロベンゼンスルホナ-ト(α_237.7nM,5ーHT_<1a>925nM)ではα_2選択性が高まり、c)トシラ-ト(α_292.7nM,5ーHT_<1a>40.3nM)では5ーHT選択性が高くなることがわかった。
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