最近(1985年)に噴出した南米コロンビアのネバド・デル・ルイス火山の軽石試料について、ジルコンーガラスの組合わせにイオニウム年代測定法を適用して、1万年を超す大きな年代を得た。この年代は、ジルコンが実際に今から1万年に結晶した事、すなわち1万年前にはこの軽石がすでにマグマとして存在して存在していたのか、それともこの軽石が古いジルコンをとり込んだ事を示すのか検討を行っている。 熔ゆうけい酸塩からジルコンを直接合成する試みは、非常に困難な事がわかった。種結晶を入れてその表面にジルコンを結晶させることを計画し、種結晶として用いるHfSiO_4(ZrSiO_4、すなわちジルコンと同形)の合成した。ジルコン合成と同条件で単結晶HfSiO_4を得たが、同条件で合成したジルコン単結晶に比べると小形で、大形の単結晶を得るための最適条件がジルコンと異ることがわかった。 フラワクスからハフニウムを含むジルコンを合成しフラワクスー結晶間のハフニウムおよびジルコニウムの分配係数の測定を行った。現在、温度を変化させたとき、分配係数がどのように変化するか測定している。 火山岩・火成岩中のジルコニウム・ハフニウムの行動を比較する目的で、火山岩および深成岩から分離されたと思われるジルコン砂について1つの結晶の中の両元素の分布の状態および個々の結晶についてのジルコニウム・ハフニウム比の変化をX線マイクロアナライザ-および中性子放射化分析法を用いて測定中である。
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