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1990 年度 実績報告書

日本海形成に伴う珪質堆積物の古環境解析

研究課題

研究課題/領域番号 01470053
研究機関東京大学

研究代表者

飯島 東  東京大学, 理学部, 教授 (90011501)

研究分担者 角和 善隆  東京大學, 教養学部, 助手 (70124667)
荻原 成騎  東京大學, 理學部, 助手 (50214044)
多田 隆治  東京大學, 理學部, 助手 (30143366)
松本 良  東京大學, 理學部, 助教授 (40011762)
キーワード古環境解析(堆積物の) / 日本海形成 / 珪質堆積物 / C / S比(堆積物の) / 第三紀堆積盆
研究概要

1.LECOーHF20分析装置を使用して、ヨウ素滴定法による堆積物中の全硫黄量を測定する実験法が確立された。とくに、海底堆積物中に含まれるNaClが妨害物質として測定結果に重大な影響を及ぼすので、前処理をして脱塩する必要がある。また、試料をるつぼに助燃剤、燃焼調整剤とともに充填する方法が確立された。
2.ODP Leg127で採取された新第三紀堆積岩の試錐試料の分析から、約1800万年前の開口時から現在までの日本海底層水中の溶存酸素レベルの変遷が明らかにされた。名時代の代表的堆積岩の全硫黄量S及び全有機炭素量Cを測定した。堆積物中のC/S比は底層水の酸素レベルをよく反映することが知られており、正常な海水下の堆積物の値は約3を示す。Leg127試錐の堆積岩C/S比は0.10から20の広い範囲をとる。とくに後期中新世の時代に、日本海が閉鎖的になり、還元環境になった。
3.ODP Leg127の794,795,797地点で採取された第四紀堆積物には、淡灰色部と暗灰色部の周期的繰り返しが認められる。堆積物のC/S比から、暗灰色部は日本海が閉鎖的となり、底層水が還元的になった事が明らかにされた。また、その周期性は第四紀の気候変動の周期性と一致する。
4.環日本海地域の第三紀堆積盆の変遷と日本海開口との関係が、始新世から鮮新世末に至る古地理ー古水深ー岩相図により明らかにされた。その結果、上記2の現象が堆積盆の全体像をもとに解明されるに至った。
5.地表に露出する堆積岩は風化および地下水の浸透により、従来考えられていたよりも容易に硫化物が酸化され、脱硫されることが明らかにされた。従って、地表に露出する堆積岩から、堆積時のC/S比を推定するには格別の注意が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 荻原 成騎・飯島 東: "ヨウ素滴定法による堆積岩中の全硫黄量の測定" 岩石鉱物鉱床学会誌. 86. (1991)

  • [文献書誌] Iijima,A.and Tada,R.: "Evolution of Tertiary sedimentary basins of Japan in reference to opening of the Japan Sea." Jour.Fac.Sci.Univ.Tokyo,Sec.II. 22. 121-171 (1990)

  • [文献書誌] Tada,R.and Iijima,A.: "Revision of lithostratigraphy and compositional variation of Neogene hemipelagic sediments from Japan Sea" Initial Reports of Ocean Drilling Project. 127/128. (1991)

  • [文献書誌] Tada,R.,Koizumi,I.,Brunner,C.,Cramp,A and Rahman,A.: "Correlation of dark and light cycles,and origin of cyclicity in Quaternary sediments from Sites 794,795,and 797" Initial Reports of Ocean Drilling Project. 127/128. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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