研究課題/領域番号 |
01470054
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 暉夫 北海道大学, 理学部, 助教授 (40135900)
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研究分担者 |
新井田 清信 北海道大学, 理学部, 講師 (30111149)
前田 仁一郎 北海道大学, 理学部, 助手 (50165643)
在田 一則 北海道大学, 理学部, 助手 (30091408)
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キーワード | マイクロリアクタ- / Fe-pumpellyite / 神居古澤帯 / Sheath褶曲 / simple shear / ナップ / 流体包有物 |
研究概要 |
研究はマイクロリアクタ-による変成反応に関する基礎的実験と野外の変成岩の流動組織に関する記載の2つの側面より成り立っている。 マイクロリアクタ-を用いた実験ではまず装置の温度・圧力の安定性について吟味を行なった。その結果、温度の安定性は申し分ないことが明らかとなったか、圧力に2.5kbから2.1kbに降下してから安定するという状態であることが判明した。しかし、2.1kbの条件では長時間十分にその条件を維持しうる。装置の納入時期との関係で、以上の装置の基礎的検討とカプセルに封入した出発物質とH_2Oの状態の考慮をするにとどまった。平成2年度に本格的実験に入れるよう、Fe-Pumpelyitoの出発物質を作成も行なった。高圧下でのFe-Pumpellyiteの安定性と物質流動の関係について検討する準備が整った。 野外の観察では、神居古澤帯でsheath褶曲の存在が確認され、南北性のsimple shearについて考察を深めた。simple shearにひきつづく変成帯の上昇によって、角閃石に引張クラックが発展するが、引張力とshearの方向は20〜30°斜交することが判明した。これは変成帯の上昇過程で流動方向が変化するということと同じことである。この上昇過程で泥質片岩中には石英物質の注入があったこと、およびメタンと水を主とする流体の活動があったことが明らかとなった。この成果は流体包有物の研究から得られたものである。日高帯南部のナップ帯の構造の研究からは、2回のナップ形成時期が明らかとなり、これらの運動にまきこまれたト-ナライト中の石英集合部の変形・流体包有物の研究から、詳細な温度降下にともなう流体包有物の形成が明らかにされた。 以上の野外の研究から、岩石の流動に重要な影響を与えている流体相の存在がクロ-ズ・アップされてきている。
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