研究課題/領域番号 |
01470058
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八木 順一郎 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (20006050)
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研究分担者 |
高橋 礼二郎 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (30006051)
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キーワード | 汚泥溶融炉 / 充填層 / ガス流れ / Ergunの式 / κ-εモデル / 冷間モデル実験 / 任意形状領域 / 一般座標系 |
研究概要 |
コ-クス充填層型汚泥溶融プロセスはコ-クスベッドとフリ-ボ-ドから成り立っているが、このプロセスにおけるガス流れについて、理論的、実験的に検討した。最初に充填層中のガス流れを記述する基礎式としてErgunの式の妥当性を検討するため、2次元ならびに3次元の冷間模型実験を行った。その結果、移流項の効果を考慮することが必要であることがわかった。また、ガス導入口の2段化や傾斜角、ガス流量、充填層の層頂形状など操作条件とガスの流速分布、圧力分布の関係を調べた。これらの結果は移流項を考慮したErgunの式で説明できることがわかった。フリ-ボ-ド内ガス流れには乱流κ-εモデルを適用し、充填層とフリ-ボ-ドを接続した形で全体のガス流れ特性を理論的に検討した。数値シミュレ-ションには炉の形状の複雑さに対処するため座標変換法に基づく曲線座標系を採用した。この方法によると有限差分法で開発された有効な数値計算技術を使用することができる。計算の結果によると、フリ-ボ-ドは多くの2次ガス導入口を有するため、渦が生じ、複雑な流れ場を形成していることがわかった。2次元および3次元の数値シミュレ-ション結果を比較すると、ガス導入口近傍の流れがかなり異なっており、3次元計算の重要性が示された。これらの結果は実プロセスの設計に使用され有効であることが確認されている。 一方、真汚泥はシリカ、ライム、アルミナを主成分としており、溶融させると高炉スラグに近い組成になり、1200〜1500℃の融点を有している。汚泥の脱水、溶融特性を調べるため、加熱実験を行った。この結果は、次年度開発を予定している充填層中の固体流れおよび液流れモデルと組みあわせて、汚泥溶融炉の伝熱・流動シミュレ-ションモデルに使用する予定である。
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