• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

部分安定化ジルコニアの相変態と析出

研究課題

研究課題/領域番号 01470061
研究機関東京大学

研究代表者

佐久間 健人  東京大学, 工学部, 教授 (50005500)

キーワード部分安定化ジルコニア / 組織制御 / 相変態 / 析出 / スピノ-ダル分解
研究概要

今年度は、ZrO_2-Y_2O_3を中心に立方晶-正方晶無拡散転移の特性を調べた。この相転移は次の様な特徴を有することが明かとなった。
(1)この無拡散相転移によって生成する組織はドメイン構造及びレンズ状もしくは板状組織によって特徴づけられる。前者の組織は、c-ZrO_2の禁制反射である112反射を用いた電顕暗視野像に現れ、後者は通常の明視野あるいは、光顕組織でも観察される。
(2)c-t無拡散転移は、c-t平衡のc-ZrO_2側の相境界線から僅かに過冷されたところで開始するものであり、T_o温度よりも高い温度でも生じる。相転移は先ず軸比の小さなt-ZrO_2の形成によって試料全面に沿って完了し、その際ドメイン構造の生成を伴う。t-ZrO_2の軸比は冷却につれて増加し、この為に生じる歪を開放する為にレンズ状もしくは板状の双晶が形成される。
(3)c-t無拡散転移は、2次相転移の性格を有するものであり、従来一般に考えられていたようなマルテンサイト変態とはその性格が全く異なるものである。
(4)本研究で明かとなったc-t無拡散変態の性格に矛盾しないG-X曲線の構成を考えると、研究代表者が以前に提案したジルコニアセラミックスのスピリ-ダル分解の生成も説明できる。
(5)c-t2相分離とこの無拡散転移を巧に利用することにより、結晶粒が微細でtジルコニア単相のTZPを得る事ができる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Sakuma: "The diffusionless cubic-to-tetragonal transition in partially-stabilized Zirconia" MRS International Meeting on Advanced Materials. 9. 505-516 (1989)

  • [文献書誌] T.Sakuma,H.Hata: "The domain structure of tetragonal zirconia in ZrO_2-Y_2O_3 alloys" Advances in Zirconia Science and Technology,ed.by S.Meriani and C.Palmonari. 283-292 (1989)

  • [文献書誌] Y.Yoshizawa,T.Sakuma: "Evolution of microstructure and grain growth in ZrO_2-Y_2O_3 alloys" ISIJ International. 29. 746-752 (1989)

  • [文献書誌] T.Sakuma,Y.Yoshizawa,Y.Zhou: "Intercritical annealing in the system ZrO_2-Y_2O_3" Proc.1st Int.SAMPE Symposium. 815-820 (1989)

  • [文献書誌] 佐久間健人,畠英雄: "ZrO_2-Y_2O_3の立方晶-正方晶無拡散変態と微細組織" 日本金属学会. 53. 972-979 (1989)

  • [文献書誌] 佐久間健人: "高強度・高靭性ジルコニアの相変態と微細組織" 金属. 59. 43-47 (1989)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi