研究課題/領域番号 |
01470062
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
丸山 俊夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
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研究分担者 |
須佐 匡裕 東京工業大学, 工学部, 助手 (90187691)
永田 和宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70114882)
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キーワード | CVD法 / 高融点金属 / 高温耐酸化性 / パックセメンテ-ション / モリブデン / アルミナイド / Mo-Al-Si / 状態図 |
研究概要 |
平成元年度は高融点金属としてモリブデン(Mo)を取り上げ、その表面へのアルミニュウム(Al)の拡散浸透処理による耐酸化性コ-ティング層の形成とその高温酸化挙動に関する研究を行った。 (1)Mo表面に生成することが期待される数種のMo-Al系の金属間化合物粉末を調製し、空気中における高温酸化挙動を昇温法によって検討した。その結果、Mo_3Alは耐酸化性に乏しいが、Mo_3Al_8およびMoAl_4は表面にAl_2O_3の連続皮膜を形成し耐酸化性が高いことを見いだした。 (2)Mo板にパックセメンテ-ション法により拡散浸透処理を行った。パック剤には金属Al、塩化アンモニウムおよびAl_2O_3の混合粉を用い、Ar気流中1323Kで行った。コ-ティング層は2層構造を有し、厚い外層はMo_3Al_8からなり、内層は薄いMo_3Alで形成されている。このコ-ティング層は冷却時に生成する多くの亀裂を有しており、Mo基板に達するものもあり、耐酸化性に乏しい。しかし、高温酸化後の組織観察から、Mo_3Al_8表面には緻密なAl_2O_3皮膜が生成しており、Mo_3Al_8は基本的には耐酸化性を有するが、亀裂の生成という機械的な問題を解決すれば高温耐酸化性材料として優れていることが分かった。 (3)珪素(Si)を予め少量拡散浸透させ、その後にAlを拡散浸透させる2段階コ-ティングを試みた。Siのみをコ-ティングしたMoは全く耐酸化性を示さないにもかかわらず、2段階コ-ティングした試料は著しく耐酸化性が向上することを明らかにした。このコ-ティング層の構造は基本的には(2)のそれと同様であるが、亀裂が少なく機械的性質が著しく異なっていることを見いだした。
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