研究課題/領域番号 |
01470074
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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研究分担者 |
坂口 裕樹 大阪大学, 工学部, 助手 (00202086)
今中 信人 大阪大学, 工学部, 助手 (30192503)
平嶋 克享 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029217)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / LaNi_5 / アモルファス / EXAFS |
研究概要 |
アモルファスLaNi_5を用いる水素分離膜のガス透過速度は膜の結晶構造と密接な関係があると考えられるが、試料はアモルファスであるため詳細な構造を知ることは困難である。本研究は、アモルファス膜の構造解析を行うための最適な手段であるEXAFSを用いてLaNi・_<5.0>膜の局所構造の解析を行い膜中の水素の占有状態を明らかにすることを目的としている。測定に供した試料は、アモルファスLaNi_<5.0>蒸着膜および結晶性スパッタ膜であり、ポリイミド基板(40μm)上に1μmの膜厚で形成させた。この試料についてNiーKおよびLaーL吸収端におけるX線吸収スペクトルの測定を行った。測定は高エネルギ-研のシンクトロン放射光(2.5Gev)を用いたEXAFS装置により行った。 アモルファス蒸着膜とスパッタ結晶の結晶構造パラメ-タを比較すると、NiーK吸収端においてNiーLapairの数が極端に減少していることがわかった。このことよりアモルファス蒸着膜では、Laの欠落が生じていることが示唆される。結晶(LaNi_5:M)中の水素占有サイトは3個のNiと1個のLaで囲まれたD1サイトと2個のNiと2個のLaで囲まれたD2サイトの2種類が知られている。水素はまずD1サイトにH/M〓3程度になるまで入り、ほぼ飽和すると次にD2サイトへ吸収され最終的にH/M〓6に達すると考えられている。アモルファス蒸着膜では、Laの欠落により水素占有サイトが壊されていると考えられるが、そのサイトは主にLaを多く用いて構成されているD2サイトであると思われる。その結果、アモルファス蒸着膜では水素はD1サイトにしか入ることはできないため、吸収量が結晶性バルクと比較して半分以下に減少していると考えられる。
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