研究課題/領域番号 |
01470076
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 勇 東北大学, 工学部, 教授 (50005302)
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研究分担者 |
仁科 辰夫 東北大学, 工学部, 助手 (60172673)
末永 智一 東北大学, 工学部, 助教授 (70173797)
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キーワード | 酵素スイッチ / マイクロアレ-電極 / ジアフォラ-ゼ / メディエ-タ- / ポリピロ-ル / NADH / 酵素固定化 / 導電性高分子 |
研究概要 |
本研究は、酵素の特異な機能を利用し、新しい原理で動作するスイッチ機能素子を作製することを目的としている。今年度はその基礎研究に重点を置き、種々の検討を行った結果以下の抽知見を得た。 1.金あるいはITOのマイクロアレ-電極(電極幅、5〜20μm)をフォトリソグラフィ-法を用いて作製した。フェロセン類を基質とし、静止系およびフロ-系での電極応答を詳細に検討した。その結果、本電極を用いることにより、電流応答を電気化学的に増幅できること、電極応答をシミュレ-ションにより予測できることが明らかとなった。 2.フラビン酵素の一つであるジアフォラ-ゼ(Dp)をピロ-ルの電解重合による包括固定およびグルタルアルデヒド架橋法により、炭素系電極あるいはマイクロアレ-電極表面に固定した。フェロセン類などのメディエ-タ-、酵素基質であるNADH共存下での挙動をボルタンメトリ-により検討した結果、表面上の酵素は活性を保っていることが示された。 3.メディエ-タ-の構造と酵素電極触媒活性の相関に関する検討も行った。その結果、疎水性メディエ-タ-を使用することにより、高い触媒効果が得られることが明らかとなり、ジアフォラ-ゼの酸化還元活性中心は疎水性雰囲気であることが示唆された。また、酵素反応の速度論的パラメ-タ-を電気化学的に決定する新しい手法を開発した。
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