研究課題/領域番号 |
01470078
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
相澤 益男 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016742)
|
研究分担者 |
篠原 寛明 東京工業大学, 工学部, 助手 (60178887)
碇山 義人 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10202847)
|
キーワード | 導電性酵素膜 / 導電性微生物膜 / ポリピロ-ル / 生体機能の電気制御 / バイオリアクタ-の電気制御 / バイオリアクタ-のインテリジェント化 |
研究概要 |
本研究では、酵素や微生物を個体素子化することによって生体物質の触媒機能を電気化学的に制御する方法を創出し、必要な時に必要な量の物質を生産できるインテリジェントバイオリアクタ-を構築することを目的として行った。 平成元年度は次の4項目の研究を行い、ほぼ初期の計画通りの成果が得られた。 1)導電性酵素膜の合成:グルコ-ス酸化酵素とアルコ-ルデヒドロゲナ-ゼを、電気化学重合法によってポリピロ-ル膜に包括固定し、導電性および酵素活性を保持した"導電性酵素膜"を合成した。アルコ-ルデヒドロゲナ-ゼの場合には、NAD、メルドラブル-の電子伝達系を酵素と共に導電性酵素膜中に固定した。 2)酵素活性の電気制御:上記導電性酵素膜の酵素活性の電位依存性を検討したところ、グルコ-ス酸化酵素の場合には補欠分子属FAD、アルコ-ルデヒドロゲナ-ゼの場合にはメルドラブル-(電子メディエ-タ)の酸化還元電位を境にして、全く異なる挙動が観測された。すなわち、酸化還元電位より負の電位では酵素活性はほとんど表れず、正の電位では酵素活性は電位と共に増大することが示された。 3)および4)導電性微生物膜の合成および電気制御培養:アルコ-ル生産酵母およびグルタミン酸生産バクテリアを、同様の方法でポリピロ-ル膜に包括固定し、導電性微生物膜を合成し、それぞれアルコ-ル生産、グルタミン酸生産の電位依存性を調べたところ、電位に依存して生産性が変動することがわかった。 以上の結果は、発酵生産の電気制御が可能になることを示唆しているので、次年度は電気制御方式のバイオリアクタ-を設計していきたい。
|