研究課題/領域番号 |
01470079
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森川 陽 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016396)
|
研究分担者 |
小松 隆之 東京工業大学, 工学部, 助手 (40186797)
和田 雄二 東京工業大学, 工学部, 助手 (40182985)
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60016532)
|
キーワード | 天然ガス / アルカン / 酸化カップリング / 固体触媒 / 部分酸化 / メタン / 部分酸化物 / アルデヒド |
研究概要 |
メタンから酸素を用いた酸化反応により直接ホルムアルデヒドを合成するのに有効であることを見出していたFe-Nb-B複合酸化物触媒について、その最適条件を探索した。その結果、反応ガス流速30l/h,1143Kにおいてホルムアルデヒドの空時収量、1210g/kg-cat/hを得た。この値は、今迄に報告された中で最も高い値であり、当初の目的を達成することができた。 エタンおよびプロパンの直接酸素酸化により部分酸化生成物を合成するための触媒の探索を行ない、下に述べるように、それぞれの反応に有効な新たな触媒を見出した。 30wt-%でB_2O_3を含有するAl_2O_3(B-Al-O)を用いると、823Kにおいて、エタンよりアセトアルデヒト(収率:1.03%)およびエチレン(14.6%)を得ることができた。この触媒は、反応開始10時間後も活性低下が見られず安定であった。速度論的検討を行なった結果から、アセトアルデヒドとエチレン両生成物は、共通の中間体を経て生成していると推定した。この中間体の生成過程にエタン2分子が関与する連鎖反応機構を提案した。アセトアルデヒド生成には、高分散されアルミナより電子供与を受けた、ホウ素が重要であり、一方エチレン生成には、これとは異なるサイトが関与していることを示唆した。 プロパンの部分酸化には、それぞれをほぼ原始比1:1で含むホウ素とリンの複合酸化物が有効であることを見出した。この系については、現在、詳細な速度論的検討を加えている。 Na_2O_2は、670K以下というアルカンの反応としては低温で、メタン、エタン、プロパンと反応し、それぞれの二量化物を与えることを見出した。この系は、量論反応ではあるが、アルカンの活性化に関し化学的知見を得る上で興味深い。速度論的、分光学的両面から検討中である。
|