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1990 年度 実績報告書

シクロブタン環を持つ新しい高歪シクロファン類の合成とその物性の応用

研究課題

研究課題/領域番号 01470093
研究機関群馬大学

研究代表者

西村 淳  群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)

キーワードシクロファン / シクロブタン環 / スチレン誘導体 / [2+2]光環化付加反応 / フォトクロミズム / ナフタレノファン / フェナントレノファン / 渡環反応
研究概要

スチレン誘導体の[2+2]光環化付加反応によって新しい種類のシクロファン類を合成する新規な方法を見い出したので、それを発展させることが、本研究の目的である。この反応の詳細、即ち合成反応としてのスコ-プとリミテ-ション、直接光照射と光増感反応の差異さらに本光反応の機構の詳細、得られたシクロファン類の反応、さらに得られた化合物の中には興味深いフォトクロミズム等の物性を示すものがあるので、その応用面への活用を明らかにすることを目指した。
本年度計画した研究の成果を以下箇条書にした。(1)新しく見い出されたこの光反応の合成反応としてのスコ-プとリミテ-ションを明らかにするため、多くのbis(vinylnaphthyl)alkaneともに、特にbis(vinylphenanthryl)propaneと1,2ーcisーbis(vinylphenyl)cyclobutaneを合成し、光照射した。対応するフェナントレノファンとシクロブタン環2枚で架橋された[2.2]メタシクロファンをそれぞれ49%、20%収率で得た。これにより本法がシクロファン合成に大きな応用性を持つことを明らかにした。また合成されたシクロファンに渡環反応を施し、複数のシクロブタン環で架橋されたシクロファンの合成を目的に、架橋鎖への臭素化、脱臭素化を行ったところ、シクロプロパンへの変換には成功し興味深いパドラン類の合成したが、シクロブタンへの渡環反応は困難であった。(2)ナフタレノファンへの光照射による高歪キュバン型化合物の合成に成功し、興味深い熱分解反応を認め、その速度を解析した。(3)短架橋シクロファンについてはその熱分解挙動を明らかにした。一般に歪エネルギ-の順序に沿って分解しやすいことが明らかになった。(4)これらのシクロファンの示す物性、特に(2)で述べたフォトクロミズムを詳細に検討したが、機能材料として応用できるものではなかった。しかし一連の合成したクラウン型化合物の中にはイオンの抽出等に活性かつ選択的な物があった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] J.Nishimura,M.Takeuchi,H.Takahashi,M.Sato: "Tntramolecular[2+2]Photocycloaddition.9.Stereoselective Synthesis of Naphthalenophanes and Effects of the Tether Length and Substituents on the Photochemical Reaction Courses of Vinylnaphthalenophanes" Tetrahedron Letters. 31. 2911-2914 (1990)

  • [文献書誌] J.Nishimura,Y.Horikoshi,Y.Wada,H.Takahashi,M.Sato: "Intramolecular[2+2]Photocycloaddition.10.Conformationally Stable synー[2.2]Metacyclophane" J.Am.Chem.Soc.

  • [文献書誌] Y.Okada,K.Sugiyama,M.Kurahayashi,J.Nishimura: "Synthesis of ThreeーBridged Cyclophanes via Metaーand Orthoーcyclophane" Tetrahedron Letters.

  • [文献書誌] S.Inokuma,T.Yamanoto,J.Nishimura: "Selective LiーTransport by Means of Crownophanes" Chem.Letters.

  • [文献書誌] Y.Okada,S.Mabuchi,M.kurahayashi,J.Nishimura: "Synthesis and Structural Analysis of Dimethoxy[2.n]metacyclophanes" Chem.Letters.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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