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1989 年度 実績報告書

新規マクロ環化合物により分子認識と触媒機能

研究課題

研究課題/領域番号 01470097
研究機関九州大学

研究代表者

村上 幸人  九州大学, 工学部, 教授 (30037717)

研究分担者 横野 照尚  九州大学, 工学部, 助手 (10203887)
久枝 良雄  九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
キーワードシクロファン / 触媒官能基 / 分子認識 / 誘導適合機構 / 鍵と鍵穴機構 / 静電相互作用 / 分子識別 / 疎水性相互作用
研究概要

1.柔軟性のあるアルキル鎖をLーアスパラギン酸残基を介して剛直なシクロファン骨格に8本導入した「タコ」型シクロファンを合成し、包接挙動について蛍光スペクトル、蛍光偏光スペクトル等を用いて検討を行った。このホスト分子と同一荷電を有するゲスト分子に対しては静電反発により取り込み能を全く示さなかった。これに対して中性およびアニオン性のゲストは10^5〜10^6dm^3mol^<-1>の結合定数(K)で包接された。次に、柔軟性のあるアルキル鎖を触媒官能基であるカテコ-ル基を介して剛直なシクロファン骨格に6本導入した「タコ」型シクロファンおよびカテコ-ル部位に金属を配位させたものを合成し、その包接挙動に関して電子スペクトルを用いて検討した。カテコ-ル部位に鉄イオンを配位させた錯体はカチオン性及びアニオン性ゲスト分子の包接に対しては金属イオンを導入していないシクロファンと比較して結合定数が増大し、Kの値は10^6〜10^7dm^3mol^<-1>であった。この結合定数の増大はゲスト分子がシクロファン内で中心金属に配位するためであると考えられる。
2.全ての面がテトラアザ[3.3.3.3]パラシクロファンで構成されている立方体型ホストである「かご」型シクロファンを合成した。このホストはpH4以下の酸性水溶液に可溶であり、ポリカチオン性のホストとして挙動する。「かご」型シクロファンの分子内空洞への入口は全て剛直なシクロファン骨格により構成されており、その分子構造が極めて剛直であるため、この環孔のサイズに適合するゲスト分子のみを取りこむことができる。種々の疎水性ゲスト分子の中でホストの分子内空間に対して最も適切な分子形状をもっているゲスト分子が最大の結合定数を示し、分子形状がそれよりも大きくても、あるいは又小さくても結合定数は小さくなる結果が得られた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: "Molecular Recognition of Hydrophobic Ammonium Substrates by a Cationic Octopus Cyclophane Bearing Noncovalently Bound Pyridoxal-5'-Phosphate:A Vitamin B_6ーdependent Holoenzyme model" Journal of Inclusion Phenomena. 7. 91-97 (1989)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: "Molecular Descrimination by Water-soluble Cubic Azaparacyclophane" Chemistry Letters. 5. 881-884 (1989)

  • [文献書誌] 村上幸人: "シクロファンー人工レセプタ-・人工酵素としての分子認識" 有機合成化学協会誌. 47. 484-492 (1989)

  • [文献書誌] Yukito Murakami: "pH-Dependent Molecular Recognition Performed by a Polycationic Cubic Azaparacyclophane" Chemistry Letters. 7. 1199-1202 (1989)

  • [文献書誌] 村上幸人: "包接化合物の基礎と応用" (株)エヌ・テェ-・エス, 25 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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