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1989 年度 実績報告書

ゲル中のゲスト高分子鎖のダイナミックスとゲル電気泳動によるDNAの分離機構

研究課題

研究課題/領域番号 01470107
研究機関大阪大学

研究代表者

小高 忠男  大阪大学, 理学部, 教授 (20027022)

研究分担者 渡辺 宏  大阪大学, 理学部, 助手 (90167164)
足立 桂一郎  大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
キーワードDNA / パルスフィ-ルドゲル電気泳動 / 移動度 / ポリイソプレン / ポリブタジエン / 誘電緩和 / 高分子ゲル / 配向緩和
研究概要

本研究は周期的に電場を変化させることによって分子量の異なるDNAを分離するパルスフィ-ルドゲル電気泳動の機構を解明し、最良の泳動条件を見い出すことを目的としている。本年度はまず、ゲル中のゲスト高分子の動的挙動を明らかにするため、モデル高分子網目/ゲスト高分子系を調製した。モデル高分子網目にはポリブタジエンをγ線照射や過酸化物によって架橋したものを用いた。ゲスト高分子には主鎖方向に双極子を持つ、いわゆるA型高分子であるポリイソプレンを用い、ポリブタジエン網目に吸収させた。このモデル系の誘電緩和測定を行い、ゲル中のポリイソプレン分子の配向緩和時間τを決定した。その結果、τはポリイソプレン分子量の約3.6乗に比例することが見い出され、ポリプタジエン網目の架橋点間分子量には実験された範囲内では依存しないことも分った。十分に絡み合ったバルクのポリイソプレン系でもτは分子量の約3.6乗に比例するが、ゲル中のτは約10倍も長く、バルクの系よりも強い拘束を受けていると結論できた。一方、電気泳動の実験としてはまず、定常電場下での移動度の基本デ-タを採るために分子量分布の狭いポルスチレンスルホン酸ナトリウムをポリアクリルアミドゲル中で泳動させ、分子の広がりが架橋点間距離よりも小さいとほとんど絡まずに泳動され、分子の広がりがそれよりも大きいと絡み合いながら泳動されることを確認した。また、分子量が166キロ塩基対以下のDNAのアガロ-スゲル中での電気泳動のデ-タも集積中である。この実験では定常電場下での泳動の外に、一定バイアス電圧E^^ーと周波数fで正弦的に変化する電場E^^〜cos2πfを重ねた電場を系に印加し、分子量が異なるDNAの移動度に対する3E^^ー,E^^〜及びf依存性のデ-タを集めつつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Keiichiro Adachi,Tetsuo Nakamoto,and Tadao Kotaka: "A Dielectric Study of the Dynamics of Polyisoprene Trapped in Polybutadiene Networks" Macromolecules. 22. 3106-3111 (1989)

  • [文献書誌] Keiichiro Adachi,Tetsuo Nakamoto,and Tadao Kotaka: "Swelling Equilibrium of Solution Cross-Linked Polybutadiene Networks in Polyisoprene Solutions" Macromolecules. 22. 3111-3116 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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