研究課題/領域番号 |
01470113
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
山下 晋三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30025853)
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研究分担者 |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
〓谷 信三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50027900)
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キーワード | 親水性エラストマ- / アイオネン / ビオロ-ゲン / フォトクロミック / フォトメカニカル / 動的粘弾性 / ポリエ-テル / ポリブタジエン |
研究概要 |
親水性エラストマ-の出発物質として、ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO)、ポリ(ブタジエンーアクリロニトリル)(NBR)を用いたものについて合成に成功したが、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)については良好な結果を得ることができなかった。PEOの大きな親水性のために水分を含み易いことが反応を阻害したと思われる。PTMOを主鎖とするポリマ-は力学的性質に優れ、優秀なエラストマ-となることが判明した。25℃で24時間水中で膨潤させたものは約40%の含水率を示し、大きな親水性を有していた。ビオロ-ゲン単位を導入したものは、光照射による色の変化(フォトクロミズム)を示し、また、応力緩和実験において光照射は緩和挙動を大きく変化させること(フォトメカニカル効果)が認められた。光応答性エラストマ-として興味深い。ビオロ-ゲン単位を導入しないものはベ-クライトに対して良好な接着性を示し、生体医用接着剤としての応用が示唆された。PBおよびNBRよりビオロ-ゲン単位を導入して得られたアイオネン型ポリマ-の力学的性質、特に引張特性はカ-ボンブラックなどの補強性充填剤なしに大きな弾性率と、しばしば30MPaを越える引張強さを示す優れたものであった。動的粘弾率の温度分散測定の結果から、ビオロ-ゲン単位のイオンが凝集してクラスタ-を形成していることが推定された。当初計画していた臭素化ブチルゴム(BIIR)および1ークロロブタジエンースチレンーブタジエン(CBーSBR)への親水セグメントのグラフト化については、PEO鎖の化学修飾法を予定から変化させ、現在ようやく予備実験を終えつつある所である。グラフト化が起こっていることは定性的に確実なので、定量を行うべく研究を継続している。
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