研究課題/領域番号 |
01470114
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 尚史 東京大学, 工学部・化学工学科, 教授 (30010771)
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研究分担者 |
中尾 真一 東京大学, 工学部・化学工学科, 助教授 (00155665)
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キーワード | 逆浸透 / 分離 / パ-ベ-パ-レ-ション / 非水溶液 / 有機水溶液 / シリコンゴム膜 / ポリトリメチルシリルプロピン |
研究概要 |
有機水溶液系、非水溶液系の分離を逆浸透分離実験を行い、以下のことを明らかにした。 1)アルコ-ル水溶液のパ-ベ-パ-レ-ション分離において、我々はすでにシリコンゴム膜がアルコ-ルを選択的に透過することを見いだしているが、逆浸透法に用いると透過流束が小さく測定不可能であった。そこで、限界濾過膜ヘシリコンゴムをコ-ティングし薄膜化を図ったが、逆浸透法でのアルコ-ル選択性膜は得られなかった。 2)パ-ベ-パ-レ-ション法でエタノ-ル選択透過膜として知られているポリトリメチルシリルプロピン(PTMSP)膜を、エタノ-ル、イソプロピルアルコ-ル水溶液で逆浸透実験に用いたところ、透過液中のアルコ-ル濃度は供給液よりも50〜100%濃縮した。PTMSP膜がアルコ-ルを選択的に透過することを明らかにした。これまでに逆浸透法でのアルコ-ル選択膜は知られておらず、大きな成果と考えられる。 3)多孔性ポリエチレン膜にプラズマグラフトすることで、非水溶液分離膜の開発を行った。グラフトモノマ-としてメチルアクリレ-トを選択し、蒸留困難な系であるベンゼン/シクロヘキサン、クロロホルム/ヘキサン混合液での逆浸透実験を行ったが、透過液の組成は供給液と同一であり逆浸透分離膜としては有効ではなかった。しかし、パ-ベ-パ-レ-ションではメチルアクリレ-トと親和性のある方の溶媒(ベンゼン、クロロホルム)を選択的に透過し、これまでの報告に比較して最も高い選択性・透過流束を示し、本製膜法の有効性を明らかにした。 4)膜物性評価法として、赤外吸収スペクトルの検討を行った結果、膜内濃度の測定を透過型で、膜表面のアルコ-ル濃度を全反射型(ATR)で測定できることを明らかにした。特にATR-IR法では膜の緻密層の濃度を測定できることになり、多大なる成果と考えられる。
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