研究課題/領域番号 |
01470127
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬戸 治男 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (10013335)
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研究分担者 |
長岡 行蔵 明治製菓, 薬品総合研究所・バイオテクノロジー研究所, 所長
島津 昭 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (50092234)
早川 洋一 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (20208606)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | ビアラホス / CーP化合物 / CーP結合生成酵素 / 遺伝子修飾法 / 生合成 / カルボキンホスホノエノ-ルピルビン酸 / ホスホエノ-ルピルビン酸ホスホムタ-ゼ |
研究概要 |
本研究は、CーP化合物の中でも最も特異的なCーPーC結合を有するビアラホスを研究対象とし、そのCーP結合生成反応の解明に我々が確立した新しい遺伝子修飾法(in vitro derived mutation)を応用することを目的としている。ビアラホスの生合成経路中のCーP結合生成過程の一つ、ホスホエノ-ルピルビン酸とホスホノギ酸からホスフィノピルビン酸が生成する反応は、有機化学的見地から未同定の中間体の関与が予想されていたが、ここに関する非生産変異株が一種類しか得られていなかったため解析が不可能であった。そこで、前記新手法を用いて、ビアラホス生合成遺伝子クラスタ-の当該反応に関与する領域に変異を導入し、新しい形質を示す一変異株を作製した。この株の性質を既存の変異株と比較して解析することにより、新規生合成中間体を見出し、その単離構造決定にも成功した。その結果反応は予想通り二段階の反応よりなることが証明された。さらにビアラホス生合成遺伝子クラスタ-上の上記の二段階の反応を触媒する酵素に対応する領域を明らかにした。 もう一方のCーP結合生成酵素であるPEPホスホムタ-ゼについては、遺伝子側から本酵素の性質に関する情報を得るために、まず、当該酵素をコ-ドしていると思われる領域に新手法により変異を導入し、得られた菌株の性質を解析したところ当該酵素の欠損が確認された。そこで、この領域の遺伝子をクロ-ニングして、S. lividansにおける発現を試み、ビアラホス生産菌と同程度の極めて強い酵素活性の発現に成功した。この成功により、今まで謎に包まれていたその詳細な反応に関する研究を行う事が可能となったわけである。CーP結合生成酵素の遺伝子及びその発現についてはこれまでに全く報告がなく、我々が新しく開発した遺伝子修飾法により、初めてCーP結合の生成機構に関する遺伝子レベルでの十分な知見が得られた事は本研究の重要な成果であると言えよう。
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