研究課題/領域番号 |
01470148
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松原 央 大阪大学, 理学部, 教授 (00028242)
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研究分担者 |
佐伯 和彦 大阪大学, 理学部, 助手 (40201511)
福山 恵一 大阪大学, 理学部, 講師 (80032283)
若林 貞夫 大阪大学, 理学部, 助手 (80148436)
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キーワード | 呼吸鎖電子伝達系 / 真核・原核生物 / 構造、機能、進化 / チトクロムC_1 |
研究概要 |
ウシ心筋のチトクロムC_1やbc_1複合体の粉末X線回析像をとることを試みた。bc_1複合体は2量体で存在することが示唆された。このチトクロムbc_1複合体の改良調製品を用いてQH_2からチトクロムCへの電子伝達反応をしらべたところ、まずQH_2がbc_1と反応し、Qが放出されてからCの結合と放出が2回行なわれるというピンポン機構が明らかとなった。いいかえれば、QH_2がbc_1に結合するとbc_1の構造が変化し、Cとの親和性が低下することが示唆された。また別の実験からチトクロムC_1が膜表面に露出しているという説を支持する結果もえた。一方酵母のチトクロムC_1の遺伝子の部位特異的変異を起こさせたものをC_1遺伝子欠損株に導入し、酵母の生育やミトコンドリアのチトクロム成分の低温スペクトルの測定、そしてコハク酸ーチトクロムC還元活性の測定を行なうことにより、ヘム鉄への配位子がヒスチジン44とメチオニンー164であることを強く示唆しえた。このとき、メチオニンの代りにリジンを導入したものは僅か乍ら野生型に近い性質を示すことが判明した。また欠如実験から従来チトクロムCと接触する部位と考えられていた2ケ所の酸性部位は大した重要性を持たないのではないかと思われる結果となった。ユ-グレナのC_1のcDNAの全構造を解明し、ウシ、ヒト、酵母、アカパンカビ、細菌のC_1と相同性があること、配位子や膜結合部位の共通性が指摘できた。このC_1はシステインー39のみでヘムを結合していること、もう1つのシステインはフェニルアラニンに置換していることを確実に証明しえた。ウシ心筋のNADH脱水素酵素複合体の13K蛋白質は2成分であることを見出しその全構造を決定した。又30K蛋白質に鉄を配位しうる配列があることも見出した。藍色細菌のチトクロムb_6fがチトクロム酸化酵素に電子をわたすことを見出した。
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