研究課題/領域番号 |
01470153
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄子 貞雄 東北大学, 農学部, 教授 (10005605)
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研究分担者 |
木村 和彦 東北大学, 農学部, 助手 (10183302)
伊藤 豊彰 東北大学, 農学部, 助手 (10176349)
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キーワード | 気候系列 / 植生系列 / スポディック層 / ポドソライザ- |
研究概要 |
十和田土壌:南八甲田では、スポドソルとアンディソルは、気候系列の関係にあり、土壌層位の分化、化学性、腐植の集積状態とその組成、および粘土鉱物学組成に大きな差がみられた。スポドソルは、十和田a(1000年)と中せり(5000年)火山灰から別々に発達した土壌であった。そして中せり火山灰由来部分はポドソル化が顕著で、プラキック層が発達していた。アンディソルは、fulvicな性質を示し、黒味が強く、A層とB層の層界が波状ないし、不規則で漸移的であった。 南八甲田のスポドルは、Soil Taxonamyによる分類では、形態学的なスポディック層の基準を満足することより、スポドソルに分類される。しかしながら、一部のスポドソルは明瞭な鉄とアルミニウムの集積があり、それらによる固結層が認められるにもかかわらず、化学的なスポディック規準を満足しなかった。 下北土壌:青森県下北半島では、石英安山岩質の火山灰を母材とするスポドソルとアンディソルの植生系列が認められた。即、ヒバ植生は強力なポドソライザ-となり、土壌の粘土含量が50%以上の重粘な下層を持つにもかかわらずよく発達したE層とBs層を持ち、一部のペドンではプラキック層も発達していた。そして一般のスポドソルと共通的な化学的・鉱物学的性質をも示した。これらの土壌は、全てのスポドソルとしての形態学的および化学的スポディック基準を満足しなかった。一方ブナ林下では、暗褐色の腐植層を持つアンディソルが発達していた。 以上のように、火山灰由来のスポドソルも、強いポドソル化作用を反映し、一般のスポドソルに共通する性質が認められる。しかしながら、火山灰由来のスポディック層は、アンディックな性質と共通する点が多いことから、火山灰由来のスポドソルとアンディソルは、その土壌生成過程の基本概念とそれを反映した性質によって分類すべきである。
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