研究概要 |
本年度は、シロイヌナズナth-1変異体を相補する大腸菌thiBプラスミドを植物導入用に改良する作業を行なった。 1.そのためにまず、thiB,C領域を持つDNA断片の塩基配列を確定した。thiCは、579塩基対、thiBは、459塩基対からなり、thiCの終止コドンと1塩基重複して、thiBが始まる。thiC-thiBの順に転写される典型的なオペロン様構造を持つので、thiCの上流をCAT(クロラムフェニコ-ルアセチル化酵素)遺伝子に結合した。その融合体の転写調節により、オペロンの存在を示した。 2.大腸菌thiB遺伝子を植物に導入するには、発現部位(プロモ-タ-)を植物用に変えなければならない。そのため導入するDNAのデザインとして、thiBのみを持つもの、thiC-thiBのままオペロンとして持つものを計画した。まず、タンパク質をコ-ドしない、5^1、及び3^1側DNA領域を欠失させることにした。多くの欠失体をエキソヌクレア-ゼV消化により得、塩基配列の解析を行った。それらの中に、コ-ド領域のみに近いものが存在した。これらを用いて、植物に導入するプラスミドを構築した。 3.発現調節領域についても検討を加え、最適な配列をさがす努力を行った。
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