研究概要 |
ホメオボックス遺伝子産物は、発生過程で遺伝子の発現を調節している転写調節蛋白だと考えられている。しかし哺乳類ホメオボックス遺伝子産物がどのような遺伝子の発現を調節しているかは全く明らかにされていない。本研究の目的は、この哺乳類ホメオボックス遺伝子産物が発現を調節している遺伝子を明らかにすることであり、この蛋白が特異的に結合DNA配列を哺乳類ゲノムからクロ-ン化することである。そのために以下の実験を行った。 (1)T7プロモ-タ-を用いた大腸菌発現ベクタ-に、マウスホメオボックスHox1.1,Hox3.5を含むcDNAクロ-ンおよびその一部、さらにHox3.1,Hox1.3遺伝子の一部を結合したプラスミドを作製した。 (2)(1)で作製したプラスミドを大腸菌に導入し、ホメオボックス遺伝子産物を合成した。さらにこの蛋白をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動などの方法を用いて精製した。 (3)(2)で精製したホメオボックス遺伝子産物でウサギを免疫し、抗血清を得た。 (4)Sepnarose4Bに(2)で精製したホメオボックス遺伝子産物を結合したアフィニティ-カラムを作製し、(3)で得たウサギ抗血清から、ホメオボックス遺伝子産物に特異的に結合する抗体を精製した。
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