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1991 年度 実績報告書

植物分布の北限線と南限線の生理生熊学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 01480005
研究機関筑波大学

研究代表者

及川 武久  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70011682)

キーワード植物分布 / シラカシ実生 / 光合成 / バイオマス / ハマニンニク / ケカモノハシ
研究概要

平成元年度から平成3年度の3年間にわたる一般研究(B)「植物分布の北限線と南限線の生理生態学的解析」を行ない、最終年度は研究の締括りとして、主にこれまでに得たデ-タの取りまとめを行ない、成果報告書(p54)を作成した。
今回出来上った成果報告書の内容は、1)分布北限域におけるシラカシ実生の光合成の季節変化特性と、2)北方種と南方種の光合成とバイオマスの季節変化に大別される。
1)分布北限域におけるシラカシ実生の光合成の季節変化特性は、北関東を分布の北限域とするシラカシ実生が、筑波地域のアカマツ人工林内に数多く芽生えているが、このシラカシ実生の光合成特性を変動の大きなアカマツ林内で光合成ポロメ-タを用いて、季節別に測るとともに、光強度、温度、二酸化炭素濃度を制御した実験室内でも測って、その特性を調べた。この測定でアカマツ林内のシラカシ実生は、春に最も大きな光合成生産をあげ、逆に夏には光合成生産は負になり、秋に再び回復して、春に次ぐ正の光合成生産を行なっており、冬にまた負の生産に転じていた。このようなシラカシ実生の光合成生産の季節変化は、野外環境に大きく制約されたものであった。すなわち、春と秋には林内が比較的明るく気温が最適温度近くにあるため、シラカシはかなり大きな生産をあげたが、夏になると上層木の葉が展開して林内が暗くなるとともに、気温が上昇して呼吸が活発になるため、また、冬には温度が低過ぎて、いずれも負の生産になっていた。このような実験結果から、アカマツ林からシラカシ林への遷移は、北関東地域では容易には起こり得ないことが明らかとなった。
2)北方種と南方種の光合成とバイオマスの季節変化は、同じイネ科に属する北方種のハマニンニクと南方種のケカモノハシの光合成とバイオマスの季節変化を茨城県の角折海岸で測った結果、ケカモノハシの光合成最適温度は、ハマニンニクよりも高温側にあることなどが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ishikawa,S.: "Responses of photosynthesis,leaf conductance and growth to salinity in three coastal dune plants." Ecological Research. 6. 217-226 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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