• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

同一機能酵素において正常発生と傷害で制御される遺伝子間差異の分子的証明

研究課題

研究課題/領域番号 01480011
研究機関名古屋大学

研究代表者

今関 英雅  名古屋大学, 農学部, 教授 (90023431)

研究分担者 山崎 健一  名古屋大学, 農学部, 助手 (40182480)
キーワードエチレン生合成 / 傷害誘導遺伝子 / オ-キシン誘導遺伝子 / ACC合成酵素 / アイソザイム / cDNAクロ-ニング
研究概要

カボチャのオ-キシン誘導ACC合成酵素に対するcDNAを単離するために、容易に大量に入手出来るキウリ未熟果実切片のオ-キシン誘導酵素を基質ラベル法によって精製し、プロテア-ゼ分解によって生じた2種ペプチドのN未端アミノ酸配列を決定した。この配列に基づいて合成したオリゴDNAは、カボチャ下胚軸にオキシン処理で発現するmRNAと相補的分子対合した。オ-キシン処理をしたカボチャ下胚軸のmRNAを鋳型として作成したcDNAライブラリ-を、合成オリゴDNAを利用して選別し、強く分子対合するcDNAクロ-ン(CMA101)を得た。CMA101の大腸菌においてACC合成酵素活性を示すタンパク質の合成を誘導したためACC合成酵素のcDNAであると同定した。次いで、CMA101の全塩基配列を決定し、推定アミノ酸配列を提示した。先に単離した傷害型酵素のcDNA(CMW33)と比較し、翻訳枠のアミノ酸総数が18短いこと、全体の類似性は58.3%に過ぎないことが明らかになり、同一植物でもオ-キシン型酵素遺伝子と傷害型酵素遺伝子は異なることを証明した。しかし、両者のアミノ酸配列間でよく保存された配列領域が6箇所見いだされた。カボチャ果肉、下胚軸に傷害を与えると傷害型遺伝子のみが発現し、オ-キシン型遺伝子は発現しなかった。下胚軸切片(既に弱い傷害を受けた組織)をオ-キシン処理するとオ-キシン型遺伝子は強く、傷害型遺伝子はごく僅かに発現した。しかし、奥傷芽生えをオ-キシン処理した場合はオ-キシン型遺伝子のみが発現した。従って、両者の遺伝子の発現は刺激特異的であることが明らかになった。カボチャ傷害型酵素の遺伝子は4つのイントロンで分断されていた。オ-キシン型酵素の遺伝子はさらに4種あることが明らかになった。
それらのイントロン構成は現在解析中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ishige,Fumiharu: "The effects of ethylene on the coordinated synthesis of multiple proteins:accumulation of an acidic chitinase and a basic glycoprotein induced by ethylene in leaves of azuki bean(Vigna angularis)." Plant and Cell Physiology. 32. 681-691 (1991)

  • [文献書誌] Nakagawa,Naoki: "Cloning of a complementary DNA for auxinーinduced lーaminoーcyclopropaneーlーcarboxylate synthase and differential expression of the genes by auxin and wounding." Plant and Cell Physiology. 32. 1153-1163 (1991)

  • [文献書誌] Ishige,Fumiharu: "The effects of ethylene on the coordinated synthesis of multiple proteins:II.Molecular cloning of a cDNA encoding acidic chitinase induced by ethylene." Plant and Cell Physiology.

  • [文献書誌] 今関 英雅: "エチレン生合成の遺伝子とその発現" 核酸・酵素・蛋白質. (1992)

  • [文献書誌] Imaseki,Hidemasa: "Biochemistry of ethylene biosynthesis. In!“The Plant Hormone Ethylene"" CRC Press,Boca Raton, 20(337) (1991)

  • [文献書誌] 今関 英雅: "「傷害」 新免輝男編環境応答" 朝倉書店, 208 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi