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1989 年度 実績報告書

花芽形成誘導物質の単離・同定とその作用機作に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480013
研究機関京都大学

研究代表者

瀧本 敦  京都大学, 農学部, 教授 (90026443)

研究分担者 竹葉 剛  京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (10046500)
平井 伸博  京都大学, 農学部, 助手 (00165151)
キーワード水溶生花成誘導物質 / アオクキクサ / セルラ-ゼ
研究概要

アオウキクサの水抽出物に含まれる花成誘導物質は高分子、低分子両画分に認められる。しかし、活性物質は極めて熱に安定で、熱処理後の活性はすべて低分子画分に認められる。そこで、低分子画分に含まれる成分を種々のTLC、HPLCで分析したが、活性と相関のある特徴的成分は見出せなかった。しかも精製が進んでも活性フラクションの比活性は10-20倍以上には上昇しない。したがって、活性成分は予想以上に含量が高く、ただ単一物質として検出できないだけではないかと考えられる。そこで活性フラクションをそのまま機器分析したところ、^1NMRでは脂肪族と芳香族の存在が認められ、UVとIRでは各々268nmと1670cm^<-1>に吸収が観測された。この試料には顕著なUV吸収成分がないにもかかわらず、このようなスペクトルが得られることから、活性成分には、構造の類似して一群の物質が少しずつ含まれているのではないかと考えられる。
植物をすりつぶしてすぐに熱処理を行うと、ほとんど活性が認められず、水抽出物を沈澱物とともにインキュベ-トすると急速に活性が上昇する。抽出物を遠心分離して、上清と沈澱物を別々にインキュベ-トした場合には活性の増大は認められないので、上清と沈澱物が共存する時にのみ活性物質がつくられるものと考えられる。ただし、この反応は0-5Cでも急速に進行するので、単なる酵素反応とは考えにくい。遠心分離による沈澱物を市販セルラ-ゼで処理すると、高い活性が得られるが、熱処理を行った市販セルラ-ゼも有効であるため、酵素そのものが働いているのではないらしい。植物体をセルラ-ゼ溶液に浮かべるだけでも高い活性をもつ物質が得られるが、この場合には熱処理したセルラ-ゼはあまり有効でない。現在、活性物質を単離同定する実験とともに市販セルラ-ゼの作用機作に関する研究を続けている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Atsushi Takimoto: "Flower-inducing activity of water extract of Lemna" Plant and Cell Physiology. 30. 1017-1021 (1989)

  • [文献書誌] Sumiko Kaihara: "Flower-inducing activity of water extracts of various plant species,in particular Pharbitis nil" Plant and Cell Physiology. 30. 1023-1028 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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