研究課題/領域番号 |
01480014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴岡 弘郎 大阪大学, 理学部, 教授 (60087054)
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研究分担者 |
園部 誠司 大阪大学, 理学部, 助手 (30197024)
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キーワード | 細胞質分裂 / フラグモプラスト / 微小管 / アクチン繊維 / タバコ培養細胞 / 急速凍結置換法 / 同調培養 / 細胞生物学 |
研究概要 |
タバコ培養細胞の細胞周期をDNA合成阻害剤のアフィディコリンと微小管重合阻害剤のプロピザマイドを用いて高度に同調化させ、細胞質分裂中の細胞を高頻度に含む細胞集団を得、実験に供した。 1.細胞質分裂中の細胞の細胞壁を細胞壁分解酵素で分解しプロトプラストを調製し、プロトプラストよりフラグモプラストを単離した。単離フラグモプラスト中のアクチン繊維をHーメロミオシンにより修飾し電子顕微鏡観察を行ったところ、アクチン繊維は赤道面をはさんで極性を逆にしており、Hーメロミオシンによる矢じり構造は、矢の先を赤道面から遠ざかる方向を向いていることが明らかとなった。 2.単離フラグモプラストを急速凍結置換法により電子顕微鏡観察を行ったところ、フラグモプラスト微小管に径約0.1μmの小胞が1列に付着していることが明らかとなった。また単離フラグモプラストを機械的に破砕しネガティブ染色をほどこし電子顕微鏡観察を行うことによっても、フラグモプラスト微小管と小胞との結合を確かめることが出来た。 3.単離フラグモプラストをATP処理することにより微小管結合たんぱく質が抽出されて来ることをすでに確かめてあったので、ATP処理により小胞が微小管からはずれるかどうかを確かめたところ、単離フラグモプラストをATP処理しても小胞ははずれないが、膜透過性を高めた細胞をATP処理したあと、単離したフラグモプラストの微小管には少数の小胞しか付着していないことが明らかとなり、小胞と微小管の結合がATP依存的であることが示された。 4.細胞質分裂中の細胞をグリセリン処理し膜の透過性を高め、細胞中に蛍光ラベルしたチュ-ブリンを導入したところ、チュ-ブリンはフラグモプラストの赤道面上で重合し、この重合によりそれまでに存在していた微小管は、娘核方向に押し出されることが明らかとなった。
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