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1989 年度 実績報告書

精子プロタミンの合成と離脱の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 01480022
研究機関北海道大学

研究代表者

片桐 千明  北海道大学, 理学部, 教授 (90000827)

研究分担者 高宗 和史  北海道大学, 理学部, 助手 (20206882)
キーワード精子核塩基性タンパク質 / 精子形成 / ヒストン / プロタミンcDNA / プロタミン離脱 / 受精
研究概要

1.ヒキガエル成熟精子に存在する2種類のプロタミンは、いずれもArgを多く含み、N末端より28番目がGluとAspで異なる他は39個のアミノ酸配列が全て同じであった。アミノ酸配列はGluを持つプロタミンのcDNAクロンの塩基配列からも確かめられた。
2.アフリカツメガエル成熟精子の塩基性核タンパク質は4種のコアヒストンの他に精子に特異的な6種のタンパク質(SBP1〜6)から成るが、H2AとH2Bは精子形成過程でその量が著しく減少していた。主要なSBPであるSBP4のアミノ酸配列は、既にわかっている他の種のプロタミンと相同性が極めて低い特異な分子であることを示した。
3.アフリカツメガエルSBP4のcDNAクロンを得、これを利用してノ-ザンブロッティングを行ったところ、SBP4のmRNAは第一次精母細胞で既に存在していることが明らかになった。
4.抗プロタミン及び抗SBP3〜5抗体を用いて電顕的免疫組織化学観察を行い、精子形成過程でこれらのタンパク質は核凝縮を始める直前に出現することを明らかにした。アフリカツメガエルの精巣に〔^<14>C〕-アルギニンを注入して合成されたタンパク質を調べた結果も、少なくとも先体胞形成期まではSBPを合成しないことを示し、免疫組織化学的観察を裏づけた。
5.ヒキガエル精子プロタミンに対する抗体の反応性から、受精直後卵表層部に存在する精子には既にプロタミンが存在しないことがわかった。受精卵にみられるこのプロタミンを離脱させる活性は、中性域で負に帯電した熱に安定なタンパク質性分子であり、卵母細胞には存在するが神経胚以降及び成体肝臓の細胞質には存在しなかった。この活性はアフリカツメガエル精子核のSBP1〜6を離脱させるが、成熟精子に存在するコアヒストンの離脱は引き起さなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yamaguchi,S.,J.L.Hedrick & Ch.Katagiri: "The synthesis and loclaization of envelope glycoproteins in oocytes of Xenopus laevis using immunocytochemical methods" Develop.,Growth,Differ.31. 85-94 (1989)

  • [文献書誌] Yokota,T.,K.Takamune & Ch.Katagiri: "The sperm-specific proteins in Xenopus laevis:their molecular characterization and synthesis during sperma-togeneis" Develop.Growth,Differ.32. (1990)

  • [文献書誌] Takamune,K.,K.Mita & Ch.Katagiri: "Nucleotide sequences of cDNA encoding protamine of an anuran,Bufo japonicus." Eur.J.Biochem.189. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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