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1989 年度 実績報告書

筋弾性蛋白質コネクチン母分子の単離と性質

研究課題

研究課題/領域番号 01480025
研究機関千葉大学

研究代表者

丸山 工作  千葉大学, 理学部, 教授 (60012267)

キーワードコネクチン / 骨格筋 / 弾性蛋白質 / β-シ-ト
研究概要

骨格筋には、分子量300万におよぶ巨大な弾性蛋白質コネクチンが存在し、Z線とミオシンフィラメントを連結していることがわれわれの研究によって明らかにされ、ドイツ、アメリカなどの研究者により追試確認されている。
弾性蛋白質コネクチンの分解物β-コネクチン(分子量、200万)については、1983-4年に、われわれ、アメリカのK.Wang,イギリスのJ.Trinickによって単離された。しかし、母分子α-コネクチンは、難溶性、分解されやすさのため、単離されなかった。われわれは、0.2Mリン酸ナトリウム液(PH7.0)によってα-コネクチンがウサギ骨格筋から溶出されること、ならびに4M尿素存在下でDEAEトヨパ-ル・カラムクロマトグラフィでβ-コネクチンから分離されることから、α-クネクチンの単離に成功した。
単離されたα-コネクチンは、分子量、ならびに各種モノクロ-ン抗体による反応性からみて、筋肉内に存在するコネクチン母分子と同一であることが確認された。また、カルシウム活性化中性プロテア-ゼの作用によって、すみやかにβ-コネクチンに分解された。
問題は、調製時に4M尿素を用いることによって、α-コネクチンが多少とも変性していないかということである。円偏光二色性の測定からβ-シ-ト60%、β-タ-ン3%の二次構造をもっており、4M尿素によって影響されないことから、変性していないとの結論が得られた。αーヘリックス含量は0であった。したがって、長さ1μmにおよぶα-コネクチン・フィラメントは、β-シ-トの折れまがった構造をもっているものと考えられる。
筋弾性蛋白質α-コネクチンが単離され、その性質が明らかにされた本研究は、この分野の一応のまとめをなすものといえよう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kimura.S,& Moruyama,K.: "Isolation of α-connectin,the elastic protein,from rabbit skeletal muscle" Journal of Biochemistry. 106. 952-954 (1989)

  • [文献書誌] Horowits,R.,Maruyama,K & Podolsky,Ruf: "Elastic beharior of connectin filaments during thick filament movement in activated skeletal muscle" Journal of Cell Biology. 109. 2169-2176 (1989)

  • [文献書誌] Maruyama,K.et al.: "Behavior of connectin and nebulin in skinned wuscle fibers released after extreme stretch as revealed by immuno electron microscopy" Journal of muscle Pesearch and Cell Motility. 10. 350-359 (1989)

  • [文献書誌] Hu,D.H.et al.: "Calcium activated neutral protease quickly converts α-connectin to β-connectin" Z oological Science. 6. 797-800 (1989)

  • [文献書誌] Matsuno,A.et al.: "Auti-connectin monoclonal antibodies that react with the unc-22gene product bind dense bodies of C.elegans bodywqll muscle cells" Tissue & Cell. 21. 537-544 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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