研究概要 |
1.GSS抗体 常法により作製したイトマキヒトデGSS半精製品を抗原とするモノクロナル抗体は天然GSSを中和しなかったので,ハイブリド-マを液体窒素中に保存した。キヒトデGSSアミノ酸配列分析に基づいた合成ペプチド(N末端から16残基)を抗原として与えたマウスの抗血清がイトマキヒトデGSSを中和した。従って分析されたアミノ酸配列は確かにキヒトデGSSの構造の一部であり、これとイトマキヒトデGSSの構造の間に免疫学的類似性があると判断された。またキヒトデGSSの合成ペプチドを改めて再び合成した。現在マウスに免疫して多量の抗血清を作製中である。 2.cDNAのバンク イトマキヒトデおよびキヒトデの神経からポリアデニルRNAをとりこれに基づきcDNAバンクを作製した。 3.PCR法 キヒトデGSSのアミノ酸配列結果が確かにキヒトデGSSの構造の一部であると判定されたので、バンクのスクリ-ニングを抗体に依らずプロ-ブDNAを用いることに変更した。この際,16アミノ酸残基に基づく48ヌクレオチド鎖の両側からほぼ20ヌクレオチドプロ-ブを2本(センスとアンチセンス鎖)合成したが,コドンの3番目は可能性のあるヌクレオチドを全て混合させて合成した。2.で準備したキヒトデcDNAをプライマ-としてプロ-ブDNAと組み合わせることによりPCR法を導入した。30サイクル(アニ-リング温度45℃および50℃)後のサンプルが電気泳動で然るべきバンドを示さなかったため、プライマ-としてゲノムDNAを使用することにし,またプロ-ブについても若干の工夫を施すことにした。
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