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1990 年度 実績報告書

鮮新世哺乳動物の足跡化石の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480033
研究機関信州大学

研究代表者

亀井 節夫  信州大学, 理学部, 教授 (60025228)

研究分担者 神谷 英利  京都大学, 理学部, 助手 (00115825)
小坂 共栄  信州大学, 理学部, 助教授 (20020670)
公文 富士夫  信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
酒井 潤一  信州大学, 理学部, 助教授 (30020663)
秋山 雅彦  信州大学, 理学部, 教授 (20015580)
キーワード鮮新世 / 哺乳動物 / 足跡化石
研究概要

平成元年度においては、滋賀県野洲川、岩手県花巻、新潟県三島郡越路町、兵庫県明石市の足跡化石について、層序学的、年代学的および古環境、足跡のパタ-ン解析の研究を行ったが、本年度(平成2年度)には、それらのほか本研究を進めている過程で新たに発見・発掘された大阪府富田林市石川や長野県野尻湖などの足跡化石を加えて、堆積学的および火山灰層序からの検討を行った。その結果は、次のようにまとめられる。
1.野洲川足跡化石群は、その下位の火山灰層のジルコンのFT年代が2.62±,2.58±,2.42±(Ma)と測定されていることもあり、鮮新世後期とされていたが、富田林市石川や明石海岸の足跡化石の層準との比較検討、随伴する火山灰の鉱物学的な分析結果から、むしろ、みな更新世前期のものであることが分かった。また、花巻市や北上市の足跡化石包含層の植物遺体の組成も更新世前期をしめし、新潟県越路町の足跡化石層準も更新世前期末から中期初頭のものであることが明らかにされた。すなわち、主な足跡化石層準が更新統下部に集中しているという興味ある事実が分かった。
2.野尻湖の足跡化石は更新世末期(ca.3500C14yr.BP)のものであるが、火山灰の上面のものであり、粗粒砂に覆われる。このような堆積条件は野洲川など更新世前期の場合と共通する。また、国外でも東アフリカのラエトリ(鮮新世中期)、北米のテキサス西部のもの(鮮新世)、カナダのアルバ-タのもの(暁新世後期)でも同様である。このことから、足跡化石の形成環境は、細かいシルトと粗い砂とが頻繁に互層する堆積作用と乾燥が激しい環境で、また、そのような環境が卓越した地質時代に足跡化石が多く残されたといえる。
3.アケボノゾウとナウマンゾウの足跡化石の区別が、パタ-ン解析から可能となった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 亀井 節夫: "日本海と象" 第四紀研究. 29. 163-172 (1990)

  • [文献書誌] 亀井 節夫: "イギリス海岸の足跡化石" アニマ. 219号. 62-65 (1990)

  • [文献書誌] 趙 哲済: "第11次野尻湖発掘でナウマンゾウ足跡と確認された生痕" 日本地質学会97年大会講演要旨集. 235 (1990)

  • [文献書誌] 阪本 隆彦: "大阪府石川河床の足跡化石発掘の意義 層序と環境" 日本地質学会98年大会講演要旨集. (1991)

  • [文献書誌] 森山 義博: "大阪層群(大阪府石川河床)から発見された長鼻類と偶蹄類の足跡化石について" 日本地質学会98年大会講演要旨集. (1991)

  • [文献書誌] IndonesiaーJapan Joint Study Tean: "The First Finding of Footprint Fossil,in Indonesia" Berita Geolog. 22. 85-87 (1990)

  • [文献書誌] 亀井 節夫 (編著): "日本の長鼻類化石" 築地書館, 271 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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