研究概要 |
ライムギRゲノムとコムギDゲノムに特異的な反復配列DNAをクロ-ニングしてDNAマ-カ-を作成した. 1.ライムギゲノム特異的反復配列DNAライブラリ-の作成 ライムギ自殖系統IR130の5R染色体添加コムギ系統2n=44)のMboI断片をCSの超音波切断片と混合後アニ-リングさせた後,pUC19とライゲ-ションし,組換えクロ-ン145個を得た. 2.ライムギゲノム特異的反復配列の反復単位とその多型 12個の反復クロ-ンはハイブリッドシグナルから5R add CSに由来する2種類のライムギゲノム特異的反復配列(pTS5Rー1,2)であった.pTS5Rー1はEco0109Iサイトで区分される380bpを基本単位としてタンデムに連なる反復配列であり,Eco0109Iサイトがランダムに消失したポリマ-を持つことがわかった.クロ-ンpTS5Rー2はクロ-ンpTS5Rー1によるハイブリッドシグナルとは明らかに異なり,互いに異なる反復配列であることがわかった.これらの反復配列を用いて,ライムギ自殖系統間で反復配列のRFLPを見いだすことができた. 3.コムギDゲノム特異的反復配列のクロ-ニング Aegilops squarrosaのゲノムDNAを制限KpnIで完全に消化し,pUC19のKpnIサイトにクロ-ニングし,KpnIライブラリ-190個をえた.Aegilops squarrosaのKpnIライブラリ-の1クロ-ンはKpnIで定義される2010bpの基本単位を繰り返す重列型反復配列であり,基本単位中にEco0109Iサイトで区分される3つのユニットが保存されていた.また,Triticum aestivumのMboIライブラリ-253個を得たところ,7個がDゲノム特異的であった. これらD,Rゲノム特異的反復配列はin situ hybridizationによる染色体マ-カ-として使用できる.
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