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1989 年度 実績報告書

家蚕の保存系統に関する遺伝子資源学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480058
研究機関九州大学

研究代表者

土井良 宏  九州大学, 農学部, 教授 (30038210)

研究分担者 伴野 豊  九州大学, 農学部, 助手 (50192711)
木原 始  九州大学, 農学部, 助手 (70089944)
河口 豊  九州大学, 農学部, 助教授 (80038306)
藤井 博  九州大学, 農学部, 助教授 (10038268)
キーワード遺伝子資源 / 付着染色体 / 卵特異蛋白質 / 催奇形性検定系 / 遺伝疾患モデル動物 / 生殖巣退化
研究概要

幼虫最終齢期に突如として致死する変異体を発見し、1ーuiと仮称して連関検索を行った。その結果、1ーuiは第23連関群を除く既知26群の全てと独立で、これも連関未知の仮称Xan遺伝子と連関関係にあることを認めた。両遺伝子が未発見の新連関群を構成するものか、第23連関群に所属するものかは来年度に決定する。新突然変異の内、特記すべきは石亀蛹(gap)である。本変異体は翅が完全に欠如するほか、雌雄何れにおいても生殖巣が発達せず退化してしまう特徴を有しており、ヒトの遺伝的疾患モデルとして利用されるであろう。また、卵特異蛋白質ESPの系統間多型を調査し、連関検索を行い本蛋白質遺伝子Pesは第19連関群に所属することを見出した。行動変異としては吐糸営繭時の運動、習性に着目し、複数の個体が集まって巨大な1個の繭を作る多蚕繭の営繭習性の遺伝子分析を行い、優性遺伝子の関与を認め、Peasecodと命名して連関検索中である。
染色体付着T(23;25)Ndヘテロを用いて細胞遺伝学的観察を行い、関与する2染色体を特定することに成功した。また、この材料を基礎として染色体数2n=54の個体を育成し、カイコの近縁種クワコBombyx mandarinaにみられる染色体数の地理的分化を説明する基礎を得た。また、従来第6連関群所属とされてきた二星紋E^<Ds>と第7連関群のqとの間で異常分離を観察し、遺伝分析を行ったところE^<Ds>はT(6;7)E^<Ds>付着染色体をもつことが判明した。そこでさらに染色体構成を調べた結果、ヘテロ個体の生殖細胞には通常の染色体数n=28のもののほかn=27の細胞があり、後者には特異的な巨大染色体がみられた。
卵浸漬法により数種化合物のカイコに及ぼす生物効果を調査し、催奇形性の簡便な一次検定系として有効な場合があることを認めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 河口豊: "メチルニトロソウレア処理によるカイコ幼虫体奇形の誘起" 日本蚕糸学雑誌. 58. 338-343 (1989)

  • [文献書誌] DOIRA,Hiroshi: "Present status of linkage studies in the domesticated silkworm,Bombyx mori" Proc.6th Internat.Congr.SABRAO. 11. 961-964 (1989)

  • [文献書誌] FUJII,Hroshi: "Incorporation of a haemolymph α-chymotrypsin inhibitor into eggs of Bombyx mori(Lepidoptera:Bombycidae)" Appl.Ent.Zool.25. 146-150 (1990)

  • [文献書誌] KAWAGUCHI,Yutaka: "Ovary-dependent genetic determination of the egg shape and the yolk protein composition in the small egg-2 mutant of Bombyx mori" Sericologia.

  • [文献書誌] 土井良宏: "カイコの第23ー第25付着染色体に関する遺伝学的解析" 日本蚕糸学雑誌.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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