研究課題/領域番号 |
01480061
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安本 教傳 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026514)
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研究分担者 |
鈴木 鐵也 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60027191)
鈴木 富久子 京都大学食糧科学研究所, 教務職員 (60183422)
山岡 佐貴代 京都大学食糧科学研究所, 助手 (70230315)
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キーワード | 抗酸化性因子レベル / グルタチオン / グルタチオンペルオキシダ-ゼ / グルタチオンーSートランスフェラ-ゼ / ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / 加齢 / 老化促進モデルマウス |
研究概要 |
老化促進モデルマウスには、平均寿命の短い老化促進型と、他のマウスと同様に老化していく正常老化型の2種がある。 まずこの両者の間に血液成分及び肝臓の抗酸化性因子レベルにおいて、差異があるか否かを調べた。血漿および赤血球中の総グルタチオン(GSH)含量は、老化促進型マウスで有意に低値を示したが、肝臓では有意な差は認められなかった。肝臓におけるグルタチオンペルオキシダ-ゼ(GSHーPx)の比活性は両型マウスの間に有意差は認められなかったが、グルタチオンーSートランスフェラ-ゼ(GST)およびス-パ-オキシドジスムタ-ゼ(SOD)の比活性は老化促進型マウスにおいて有意に低かった。 次に、抗酸化性因子レベルの加齢に伴う変化を調べた。GSH含量は加齢にともなって、両型マウスともに、血漿ではわずかながら増加したが、赤血球中では逆に低下した。肝臓のGSH含量は、正常老化型マウスでは、12ケ月齢までは上昇傾向を示した後低下し、老化促進型マウスでは、加齢に伴って低下した。肝臓のGSHーPx、GSTおよびSODの比活性は正常老化型では加齢に伴って低下したが、老化促進型マウスでは、11カ月齢までは上昇傾向を示した後、低下した。 以上の結果は、これら抗酸化性因子レベルの低下が生体の加齢を促進する可能性があることが示唆される。 さらに、本年度購入した高速液体クロマトグラフを利用して測定したところ、赤血球が循環血流中に健全な状態で存在するために必要とするATPのレベルは、老化促進型マウスにおいて有意に低値を示した。全血中のATPレベルは、加齢にともなって老化促進型マウスでは低下したが、正常老化型マウスでは上昇した。このような違いについては更に引き続き検討する必要がある。
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